2010/06/23

    第1回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会 (今週末)演題一覧

第1回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会 (今週末)

いよいよ記念すべき第1回の連合学会が今週末に東京フォーラムにて開かれます
先日送られて来た第1回の雑誌も非常に読み応えのある物でしたね。

さて、僕は自分が主演者での発表の実績を積む余裕もないままサポーター/コーチの立場を取ることが多くなりましたが、今回も口演1件、ポスター3件、WS1件、プログラム紹介1件と盛りだくさんの内容です。

では順番に。

口演 26日(土) GS1-14 G602 6F 14:00頃

家庭医診療所における 適正な抗菌薬選択のための ローカルファクターのとしての 細菌培養検査の分析
中山 久仁子1、岡田 唯男2  1みなと医療生活協同組合 協立総合病院、2鉄蕉会 亀田 ファミリークリニック館山
【目的】 外来感染症に使用する抗菌薬選択には地域の耐性 菌状況であるローカルファクターを考慮することが望 ましい。今回我々は外来での細菌培養結果から抗菌 薬使用について検討したので報告する。
【対象・方法】 調査期間は2007年1月から2009年12月までの3 年間。対象は亀田ファミリークリニック館山の医科外 来受診または訪問診療において、細菌培養検査を 実施された全患者。細菌培養検査結果を横断分析 し、培養陽性率、尿路・女性生殖器・呼吸器感染症 の原因菌の種類と割合、それぞれの薬剤耐性菌の 割合について調査した。
【結果】 総検体数 2361 件。培養部位は尿(41%)婦人科分 泌物(20%)痰(11%)。起因菌が検出され感受性試 験を行ったのは 676 件(陽性率 28.6%)で、尿 (46.5%)婦人科分泌物(11.5%) 痰(25%)であった。 尿培養では Escherichia coli (58%)が最多、耐性菌 検出率は CEZ(3.1%)、LVFX(8.4%)、ST(5.4%)であ った。婦人科分泌物は GBS (56% )が多く PCG 耐性 菌はなかった。喀痰培養は Streptococcus pneumoniae ( 50% ) と Haemophilus influenzae(37%)が多く、S.pneumoniae の耐性菌 検出率は PCG(3.7%)、AMPC、CTX、LVFX(0%)、 H.influenzaeの そ れ はAMPC(25%) 、 CTX 、 LVFX(0%)であった。H. influenzae の 15%はラクタ マーゼ非産生アンピシリン耐性(BLNAR)であった。
【結論】各検体での主たる原因菌とその感受性,耐性菌率 が判明した。この結果に基づいてエンピリック治療に おける第一選択薬剤の推奨が可能となった。薬剤感 受性は変化するため、今後も定期的な調査が必要と 思われた。さらに BLNAR が 2 年連続検出され、Hib ワクチンも積極的に推進する必要がある。

http://www.primary-care.or.jp/primary2010/subj/gs1.pdf


昨年度1年限定で研修に来て下さった方との発表。ちょっとしたアイデアひとつで、大きな手間なく質の改善と発表が出来るという好例です。データは細菌検査室に出してもらえばよいので。もちろんデータからどのような意味を見いだしどのようなアクションを起こすか,というところに、能力が問われる訳です。



ポスターセッション(3件)

開催日時 26日(土)16:30~17:30
会場 ホールB5  5F

http://www.primary-care.or.jp/primary2010/subj/pt1.pdf

3件が、1番目,3番目、4番目にあたっていますので、時間通りで進むと16:30, 16:50, 17:00の予定です。慌ただしいですが、以下発表順に(発表の列が違うのでご注意)


PT1-071

3年間の後期研修における研修内容の分析 (数字で見る家庭医研修)

岡田 唯男1、吉田 賢史2  1鉄蕉会 亀田ファミリークリニック館山 家庭医診療科、2鉄蕉会 亀田総合病院 在宅医療部

【目的】日本家庭医療学会においてプログラム認定 が開始されたが、とくに外来研修の量については設 定されておらず、現状もあまり把握されていない。ま た、日本においてはマンパワーとしての後期研修医 への期待から業務と研修のバランスにも留意する必 要がある。1施設による家庭医療後期研修医の研修 実績を明らかにし、今後の後期研修プログラムの改 善につなげる
【対象・方法】鉄蕉会 亀田ファミリークリニック館山 家庭医療後期研修プログラムにおいて 2007 年4月 から 2010 年3月まで後期研修医として在籍した4名 の勤務スケジュールと外来診療データをもとに、外来 診療、訪問診療、他科ローテーションのそれぞれの 時間比率、外来診療数の実績と単位時間あたりの生 産性などについて測定,分析を実施した。半日を1単 位とし、時間比率については勤務スケジュールの手 カウント、外来診療数については法人の医療情報管 理室からのデータを利用した。
【結果】3年間の総時間数に占める各種診療の割合 は、家庭医療診療所における外来診療39%(予約2 3%、当日16%)、訪問診療21%、他科研修(ローテ ーション35%)であった。外来診療に関して、後期研 修医一人あたりの外来数は3年間で654単位 (4.4 回/週)、1単位あたりの診療患者数はのべ 16.8 人、 一人の患者あたりの平均診療時間は 12.6 分であっ た。
【結論】他施設のプログラムと比較してもおおむね外 来,訪問、他科研修の割合はそれほどかけ離れてい るものではない。外来診療コマ数や診療患者数につ いては今後他施設の報告などを待ち、研修上の適正 数、経営上の適正数などについて更なる議論が深ま ることを期待する。


今年春にうちの後期研修を修了した先生。卒業プロジェクトとしての取り組みが学会発表につながりました。なかなか個性的な人です。デザイン力に隠れた才能があり、このポスターも、そしてもうひとつの彼の作品であるプログラム紹介のポスターもよくできています。粘り強さと集中力があり、今回の調査にあたっても、3年間のシフト表を根気づよく手カウントしてくれました。



PT1-133

医学生は家庭医療コース参加の結果 どのように変わるのか?(第二報)

武者 幸樹子1、岡田 唯男2、喜瀬 守人3、 麦谷 歩4、亀谷 学1
1川崎市立多摩病院 総合診療科、2鉄蕉会 亀田ファミリー クリニック館山、3川崎医療生協 久地診療所、4医療法人相 生会 臨床薬理センター 墨田病院,大阪市立大学大学院医 学研究科 公衆衛生学 博士課程

【目的】2008 年,我々は家庭医療講義が「家庭医療」 のイメージを変化させ,具体的なイメージの獲得に寄 与すること,および受講後は家庭医療の診療範囲と 能力を正しく認識できるようになることを報告した.た だしこの調査は家庭医療のイメージの変化,診療範 囲の理解という面からのみ学びを評価している点,ま た対象者が9名と少ない点で,医学生の変化を具体 的に把握することが困難であった.今回の研究は, 「家庭医療」講義を受講することで医学生がどのよう に変化するのかをより詳細に明らかにする.
【対象・方法】聖マリアンナ医科大学で 2007~2009 年度に選択講義「家庭医療」を受講した医学生を対 象とした.研究デザインは,医学生の具体的な変化 を把握するため質的研究とした.半構造化されたフォ ーカスグループインタビューを講義終了後2~6か月 の間に実施した.グラウンデッドセオリーアプローチを 用いて複数の研究者が独立して分析した.
【結果】3~6人のフォーカスグループインタビューを5 回行った時点で,理論的飽和に達したと判断した. 参加者は 20 人.受講前の状態(知識,受講のきっか け),家庭医療の機能・特徴に関する理解(身近な主 治医,+αの機能,普及の必要性,アイデンティティ), 他科との比較(家庭医の長所,専門医の長所,家庭 医の意識),進路としての家庭医療(志望,不安,働 きやすさ),講義の評価(形式,要望)の5つのカテゴ リーが抽出された.
【結論】家庭医療講義による医学生の変化が明らか になった.講義は大変好評であった.講義前は家庭 医療を知らない医学生がほとんどであったが,受講 により家庭医療の機能・特徴を正しく理解した.新た に家庭医療という分野を知り、将来の進路選択肢に 加える学生が多かった.この結果を踏まえて,全国の 医学部において家庭医療講義を行うことは,家庭医 療普及に有用であると考えられる.


2008年に学会賞を頂いた研究のフォローアップ。

2008/06/02  日本家庭医療学会 学会賞 受賞!


学会賞は頂いたものの、当時の審査委員長の講評で「質的の部分のデータ量が少ない、ぜひフォローアップを」のご指摘をいただき、真摯に受け止めてようやくたどり着きました。もちろん今回の筆頭発表者の努力と根気があってこそ。
本格的に研究をするのはやはり長い時間がかかります。なので,それだけ長い時間かかってもやめたくならない(それだけずっと情熱の注げる)テーマ選び、というのがとにかく重要と思います。
この発表もすばらしい結果の提示が出来ると思います。質的研究のポスターはこんな風にやるのがいいですよ。というプロトタイプがお見せできると思います。

PT1-114
家庭医が行う産後ケア -産後ファミリー外来の実績調査

平 洋1、岡田 唯男2、上川 万里子2  1はるな生活協同組合 高崎中央病院、2医療法人鉄蕉会 亀 田ファミリークリニック館山

【背景】亀田ファミリークリニック館山(以下 KFCT)で は、従来から行われている妊婦健診に加え、産後ケ アの取り組みとして、2007 年 8 月より、出産後 2 週と 1 ヶ月の母子をセットにした健診(産後ファミリー外 来)を家庭医が助産師とともに行っている。
【目的】KFCT における家庭医が行う「産後ファミリー 外来」の実績調査を行い、母乳育児継続率などのア ウトカムへの影響を検討する。
【対象・方法】2007 年 8 月~2009 年 12 月の期間に、 KFCT の「産後ファミリー外来」を利用した方(のべ 109 人)を対象に、カルテレビュー及び郵送による無 記名アンケート調査を実施。
【結果】2 週と 1 ヶ月の両方の健診を利用された方は 全体の 34.8%であった。生後 1 ヶ月時点での完全母 乳栄養の割合は 46.8%で全国平均(2009 年厚労省 調査:48.3%)並みであった。KFCT で妊婦健診を受 けた方の 1 ヶ月時点での母乳栄養の割合は 40.0% であった。産後うつスクリーニング(エジンバラ産後う つ病質問票)陽性者は、1 ヶ月時で 1.8%で全国平均 (同調査:10.3%)と比し低率であった。風疹抗体価が 低い方の産後の予防接種実施率は 63.3%であった。 アンケート調査(回収率:51.4%)では、「診察時間」、 「不安の解消」、「医師と助産師の連携」の項目で概 ね良好な回答が得られた。回答者の 99%は、その後 も何らかの理由で KFCT に受診されていた。
【結論】家庭医と助産師の連携による新たな産後ケア を提供できた。妊産婦・小児とも継続的に関わること のできる家庭医の特徴を活かした取り組みと言える。 今後は、母乳育児継続率や風疹予防接種の実施率 などのアウトカムの向上のため、産後 2 週の健診利用 者の増加や妊娠中・出産直後の介入の強化などが 課題と考えられた。日本で普及させるためには、産後 ケアの教育システムの整備、産科・産院・小児科施設 との連携が重要である。



ライフワークであるマタニティケア周辺のテーマ。産後ファミリー外来については、以前にもすこし取り上げました。

2007/08/02  バースレビューの論文 review on birthreview


この春後期研修を修了して群馬へ戻った先生が卒業プロジェクトとして取り組んで下さいました。
まだまだ,改善課題の多い領域ですが、既に実践を続けている,という事実、その発表を行うという行為自体が価値のあることと信じて、引き続き取り組んでいきます。

ここで1日目終了。
プログラム紹介、懇親会,二次会を楽しみにしています

2日目。

WS-06詳細
テーマ プライマリ・ケア医が知っておきたい産婦人科診療
開催日時 27日(日)9:00~12:00
会場 G502(第8会場)


縁あって,この数年間毎年、このテーマで任せて頂いています。
全く自由な3時間なので,毎年試行錯誤ですが,今年は

45分x3コマのWSというよりはレクチャーが中心になるとは思いますが、2名の素晴らしい仲間に手伝ってもらって

1. 家庭医による避妊と性教育         手稲渓仁会          小嶋 一 先生
2. 在宅高齢者の婦人科的症状への関わり方   亀田ファミリークリニック館山 家 研也 先生
3. 妊娠とくすり、授乳とくすり        岡田

という、豪華ラインアップでお送りします。

上記以外の時間は仕事の打ち合わせをしたり、旧交を温めたりという感じです。
より多くのみなさまとポジティブなエネルギーのやり取りが出来ることを楽しみにしています。
見かけたら声をかけて下さい。

2010/06/15

    たまごクラブ 2010年7月号 大特集 梅雨&夏ニンプ の生活 やっていいこと・ダメなこと

以前ちらっとお話ししていたのですが、

14ページにも渡る特集の大半を,職場で大変頑張って下さっている助産師(かつ国際ラクテーションコンサルタント)のKさんとともに監修させて頂く機会を頂きました。本日発売です。

たまごクラブ 2010年7月号 大特集 梅雨&夏ニンプ の生活 やっていいこと・ダメなこと

ということで,本当に様々な質問に応えさせて頂きました。





経緯は,以前にほんとに小さなスペースで取り上げて頂いた際に(以下のリンク参照)「家庭医」のことをなんとなく覚えていて下さった編集長が、今回の企画担当者から相談を受けたときに、こまごました生活のことだから家庭医の方がいいんじゃないか、と思い出して薦めて下さったとのことです。この場を借りて改めてお礼申し上げます。

2009/09/16 たまごクラブ10月号 掲載(取材を受けました)

事前に大量の読者からの質問のリストを頂き、編集者の方と2時間ほどの取材で全部にお応えして、レイアウトや文面はさすがプロ、きれいに体裁を整えて下さいました。
それなりに事前に文献による確認も必要な質問もあり、大変勉強になりました。(ピレスロイド,って知ってますか?)

相談先をどう呼ぶか,という言葉の使い方は最後まで議論がまとまりませんでしたが、現時点での落とすべきところに落ちた,という感じです。

妊婦さんの一番の味方であるたまごクラブさんが、意図的に家庭医を指名して下さったこと、本当にうれしく思います。

著作権などのことで、もちろん全文の公開は出来ません。私やKさんがどのように応えているか,妊婦さんがどんなことを心配、疑問に思うかなどは、ぜひ本誌を購入し手にとってご覧ください。(月刊誌なので,なくなるのが早いです、急げ!)

たまごクラブ 2010年7月号 大特集 梅雨&夏ニンプ の生活 やっていいこと・ダメなこと たまごクラブ  2010 Jul

近隣の書店には以下のようなpop広告を置かせて頂きました



P.S. 発行数平均月17万部、とのことです。

2010/06/14

    現状報告

いつもつたないブログを読んで下さってありがとうございます。ブログの更新が長い間滞っています。まあ義務ではないのですが、ブランクが長いほどまた再開することへの敷居が上がる訳ですので,場つなぎ的にエントリーを。

え〜、twitterで言い訳はしないのが信条,と書いたのですが(こちら)、もしかしたらblogを楽しみにしている方や、心配をしている方もいると思いますので、一応いい訳ではなく現状説明,ということでさせて下さい。かつて医師のキャリア

を考える上でprofessional, academic, personalの3つの軸で考えましょう,という話をしていたことがありますが、まさにそのpersonalの軸でかなり大きなプロジェクトが動いていますので、そちらにかかりきりになっています。

たとえるなら一生に1回できるかできないか、という大きなプロジェクトで、やるかやらないかをずっと検討して、構想を何年も練って、ちょうど1年前の7月末から本格始動して,この1年間はそのプロジェクトに取られる時間がどんどん増えています。

て言っても、最近は、あまりに時間が取られるので、やるべきではなかったのでは?と考えることも時々ありますが、一区切りついたらきっとやってよかった,と思えると信じて取り組んでいます。

まあ、もったいぶらずに、何かって?ほら、僕ぐらいの年齢で一生に1回できるかできないかで1年がかり,というと、あれしかないでしょ。

すてきなことなのですが、全世界に向けて公表する類いのことではないので、気になる方は個人的に聞いて下さい。もうすぐ連合学会もあるし。このエントリーよく読めばわかるかもね。

2010/04/25

    メトホルミンの投与2250mgまで可能に

ちょっと?な感じですが

メルビン(metformin)を出している大日本製薬がフランスのmetformin(グルコファージ)を輸入して、別の商品名のmetformin製剤メトグルコ250mgとして開発、4月16日付で発売となっています。

こちらは従来のmetforminとの違いとして
最大2250mgまで投与可能 (1日9錠分3)
食直前でもよい(αGIなどと合わせられる)
従来のmetforminで禁忌であった軽度腎障害、軽度肝障害、高齢者に対して慎重投与と基準緩和

とかなり使いやすくなっています。

ただし、新薬のため1年間は14日処方限定

薬価は従来のmetforminと同じ9.9円

です。

従来のmetforminの投与量の変更申請よりも新しいクスリの方が申請の敷居が低かったのか、はたまた新薬として発売することでジェネリックのないクスリとしてより高い薬価をねらったのか(結果としてはそれは叶っていませんが)わかりませんが、海外の標準治療とのギャップを埋めるべく頑張ってくださった大日本製薬さんの努力には感謝です(薬価も変わらないのでそれほど利益も出ないはずです。ただし、ジェネリックが既に出ていますから、再度自社のシェアを取り戻すには格好の手段と思います)

基本的には新薬には飛びつかないスタンスですが、新薬と呼ぶには微妙ですし、ちょっと分かりにくいながらも良い知らせとして捉えたいと思います。

2010年4月26日 (月)
2型糖尿病治療薬「メトグルコ錠」を発売 大日本住友製薬
http://www.yakuji.co.jp/entry19021.html


メトグルコ、1年間は14日の処方制限つきに
http://blog.t-shimoyama.com/2010/04/114.html

2010/04/23

    (期間限定) 病歴と身体所見でここまでわかる! 総合医スキルアップセミナー 4月ケースカンファレンス 発熱を主訴に来院した30歳女性

病歴と身体所見でここまでわかる! 総合医スキルアップセミナー 4月ケースカンファレンス 発熱を主訴に来院した30歳女性

最近twitterでの活動にシフトでblogの発信がめっきり減っていますがそれはそれでよいと思っています。

5/6までの期間限定です
動画のページには下の方にスライドが全て開けっぴろげになっており、ネタばれになりますから、診断推論の妙味を楽しみたい方は要注意。(下までスクロールしないよう)

※2010年4月22日東京都内で収録
この映像は、医療の向上に役立てていただく目的で、
主催者の御厚意により、期間限定で配信しております。(5月6日まで)


病歴と身体所見でここまでわかる! 総合医スキルアップセミナー
ケースカンファレンス担当

http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/special/career/jamep/

実際の映像とスライドはこちらとこちら

お手伝いをしてくれる聖路加の先生のメンバーが新年度で入れ替わり、若い先生とペアとなりました。

新しいメンバーと言うことでまた、レジデントの先生の症例ということで診療所の私にとってはある意味またawayでした。また発熱の症例でしたので主催者の方に聞いてみたらこのセミナーの過去のケースカンファレンス10数回中半分が不明熱の症例。。

まあそれだけある意味診断推論としては最も面白いのでしょう、ということで、できるだけ「家庭医らしい」切り口でのカンファレンスになるように心がけました。

診断推論に優れた先生なら、講師としても最終診断を聞かずにその場で、診断を当ててそのすごさで圧倒するということになるのでしょうが、1時間という短時間と、やはり教育に携わる物としては私のすごさを見てもらうより(まあ診断できなかったらどうしよう、というのはあるのですが)、参加者に最大限の学びを提供することを優先したい、ということで事前にスライドを送ってもらい、変更要請をして私がスライドを追加して、この症例から最も学べることに効果的に焦点が当たるようにしました。

ちなみに、この症例、とあるpathognomonic(疾病特徴的:そのキーワードが出たら、直ぐに病気が想定される)な所見が出るのですが、焦点は、その所見が出るまでにその疾患を鑑別に想定できるか、といことを議論の重点としました。

そのため当日の参加者の先生方に、pathognomonicな所見の出る直前に鑑別診断のリストを作って頂き、「もう変更しないでね」と横に置いておいて貰ったのですが、複数のドクターがその診断を鑑別に上げておられ、あれだけ、非特異的な症状しかないところで能力によっては診断にたどり着けることが可能であることが確認できると共に、では、その鑑別が上げられなかった人が、どうやったら上げられるようになるかということを私からの提案としました。最後の議論では更にいわゆるclinical pearlと呼ばれる知恵をフロアから提供頂き、「teaching is learning twice(教えることは2度学ぶことである)」の文字通り自分が勉強になった(勿論参加者の方も勉強になったと思います)セッションでした。

一旦ケースカンファレンスの担当はおろして頂き、11/28に3時間の予防についてのセッションを担当させて頂く予定です。


関連エントリー

2010/01/15 病歴と身体所見でここまでわかる! 総合医スキルアップセミナー 11月ケースカンファレンス 水痘の7歳男児

2009/10/03 病歴と身体所見でここまでわかる! 総合医スキルアップセミナー 7月ケースカンファレンス 微熱、咳嗽、深呼吸時の胸痛で来院した23歳女性


2009/05/25 病歴と身体所見でここまでわかる! 総合医スキルアップセミナー ケースカンファレンス ケース 慢性腎臓病の管理目的で紹介された77歳男性

2010/04/08

    後輩を持ったら (教育についての過去エントリーのまとめ)

引き続き、教育に関する過去エントリーのまとめです

初めて後輩を持つ2年目研修医、後期研修医、突然部下をあてがわれた方、少しの原則を知っているだけで大分違うと思います。

「ほめる」ということ
まずほめるところから始めましょう

物事を伝える際の基本(フィードバック3部作)

feedback flowchart (効果的なフィードバックのため のフローチャート)

効果的なフィードバックのためのチェックリスト

効果的なフィードバック(解説/改変)




成人学習理論
成人学習理論、とされていますが、現在は子どもにも当てはまる学習の本質と考えられています。


【年度末特別企画】後輩がやってくる! 彼らの学びをサポートしよう!. レジデントノート 2006年3月号(Vol.7 No.12):1688-1694
いくつかの参考になる理論、ZPD、マズローなど


2009/07/25 5マイクロスキル(OMP: One Minute Preceptor)one pager

一ページでわかるマイクロスキル。詳しく知りたい人は次のリンク。

効果的に外来で教育を行う—5つのマイクロスキル - 特集 地域で医師を育てる—地域保健・医療研修で何をするか 診療所研修を魅力的にするために.JIM.2004; 14(5): 399-403


読売新聞 日本の知力 2008年 抜粋
昔型の教育はもう時代遅れなのか,と悩んでいるあなたに。そんなことはありません。

以下は上級編。
”彼/彼女を教育するのは難しい”と感じたとき Difficult teaching encounterへの対応. In:尾藤 誠司, 藤沼 康樹 編.<総合診療ブックス> 決定版!スグに使える臨床研修


どうしても辛くなったら以下のエントリー
2009/06/29    医師としてストレスがたまったときの12のルール / Rules for Physician Survival (M. Stuart, 1993)


学ぶ側の人にも前述のエントリーを参考として教えてあげましょう。

2010/04/07

    新しく勉学/研修を始める皆さんへ

手抜きで過去の投稿のまとめですが、新学期に併せて学ぶ側として参考にしたいエントリーをまとめています。

お役に立ちましたら幸いです。

Medicina 2003 Vo.40. No42. 増刊号 コラム yell for you

下働きは本当に意味のないことか? 医療分野の人は もうひとつのコラム「evidence, style, community standard」も

2009/04/06  一人でできる学び(最後はやっぱり個人)

最終的には一人でも学び続けられる能力を身につけることが肝要と考えています。

2009/04/05  ボス・マネジメント! 上司の7つの役割

上司/指導医はあなたにとって最大のサポーターにも最大の邪魔者にもなり得ます。

2009/01/21  のうだま―やる気の秘密

やる気の3つのスイッチ 脳の仕組みを理解して。

どうしても辛くなったら以下のエントリー
2009/06/29    医師としてストレスがたまったときの12のルール / Rules for Physician Survival (M. Stuart, 1993)


実は教える側と教わる側は表裏一体で,相手がどのようなことを考えているか,どんなことを気にしているかを知っておくことは悪いことではありません。そのことで良い学び手になることができます。追って、教える側向けのエントリーをまとめます。

2010/04/02

    例によって

昨日のエントリーはエイプリルフールネタでございます。
ご協力ありがとうございました。

こだわる理由はここ

しかし,この日が最もアクセスが多いというのはどのように咀嚼すれば良いのやら。。