2008/02/28

    人の集まるタイトルを付ける方法(セミナーなど)

抄録絡みでついでに、タイトルのつけかたについてすこし。

下記の本の著者が、明るい選挙推進協会 発行の 私たちの広場という雑誌の 297号  2007/11月号に「行列の出来る講座の作り方」というタイトルで連載中で、その第4回 「タイトルと講師選びは慎重に!」から抜粋。

ちなみに著者の牟田静香さんというかたは、「区の男女平等センター「エセナおおた」の活動を通し、不振だった同センターの主催講座に定員オーバー続出のヒット講座を連発するようになる」(プロフィールより)

では本題。

人が集まる !行列ができる !講座、イベントの作り方 (講談社+α新書 344-1C)
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  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 840
  • 発売日: 2007/04/20
  • 売上ランキング: 4824
  • おすすめ度 4.5


ここから抜粋(一部省略)

こんなタイトルでは人が集まらない!として6つのカテゴリー
*講座の目的をそのままタイトルにするストレート型
「男女共同参画セミナー」「男性の家庭参画セミナー」
興味の有る人が少ないテーマの場合は集まらない

*社会背景タイトル型
「晩婚化と男女のゆくえ」「男女共生時代と生きるわたし」
特に個を大切にする若い世代には興味が湧かない。時間、お金を割く価値が図りづらい

*疑問系
「DVって何?」「人権って何?」「今、子どもに必要なことは?」
著者の主催するセミナーで疑問系タイトルで行列ができたことは一度もないそうです。特に言葉の意味を参加者に聞くタイプのものは駄目だと。

*レッツ系
「メディア社会を生き抜こう」「地域で子育てを楽しもう」
やはり集まらないそうです。講座に参加して欲しいターゲットが明確でないから「〜しよう」になるのだそうです。

*認知率の低いカタカナ語
「アサーティブ(自己表現)トレーニング」

*相手の立場を否定したタイトル
「お父さん、もっと家庭のことに目を向けてみませんか?」「おやじ改革講座」
いくと肩身が狭くなるような気がする

ーーーー抜粋ここまでーーーー
学会の論文や発表のタイトルに当てはまらないことも一部あるが大体はこの線で応用が利く。

悪い例を考えてみよう
「麻疹について」(ストレート型)
「増え続ける糖尿病」(社会背景)
「自閉症スペクトラムとは?」「なぜ、今日本に家庭医が必要か」(疑問系)
「癌世代を生き抜こう」「次世代に必要なgeneralistを育てよう」(レッツ系)
「Crow-Fukase症候群の診断と治療」(認知率の低い)
「開業した臓器専門医は再教育が必要です」(相手の立場を否定)

学会の発表や論文を見ていると多いのが「〜について」「〜の取り組み」「〜の事例」「XXX(薬の名前)の効果」など

実際に上記の6つに当てはまらないタイトルを考えるとなると結構難しい。

STFMがすべてではないがSTFMの年次総会のたいとるみているとかなり工夫されているものが多い。是非参照にして欲しい。

実際の例を。自分の履歴書をざっと眺めて上記に当てはまらないものを探すと意外と少ない(おそらく最近意識し始めたから)
Lecture-Discussion: A Family Chart in the Electronic Age. Challenges and Opportunities for Family Oriented Medical Home. (今春のSTFMで採択、奈義ファミリークリニックの松下先生と発表予定)
Does This Patient Have Parkinson Disease? (JAMAに掲載)
Lecture-Discussion: ‘Can We Kill Many Birds With One Stone? (One CQI Projects Covers Multiple Educational Objectives) (2007年のSTFMで採択、発表)
学会発表が「楽しく!!」なるプレゼンテーションのコツ (佐藤健一、斎藤裕之先生と)
ワークショップ:「W-17 家庭医療研修医を上手に評価するために」(草場鉄周、山田康介、雨森正記先生と)
ポスター:「P-05 産科医との協力体制強化による家庭医妊婦健診継続率の増加」(西岡洋右先生と)
Family Doctors in Japan with Specialists’ Support can Provide Maternity Care for the Most of Pregnancy’ (2007 Europe WONCA)

昔は「〜について」「〜とは?」のオンパレードでした

研究や調査についてはその結果をタイトルにするのが一番です上記の最後の2件がそうです。
「xxxにおいて&&&を使うと中等度の効果がある/半減する/ZZZと同程度の効果がある/向上する」など。そのテーマに興味の有る人で、タイトルの主張がこれまでの周知の事実でない場合はまず関心を持ってくれます。

そういう意味でタイトルは抄録よりも大事です。タイトルによっては抄録すら読んでもらえないわけですから。

実は同じようなことは次の本にも書いてある。
すごい会議-短期間で会社が劇的に変わる!
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  • 発売元: 大和書房
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  • 発売日: 2005/05/18
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  • おすすめ度 3.5


会議のタイトルで
「〜について」などはやめましょう。「どうすれば〜はよくなるか」という形にしましょうと。

タイトルにも気を配りましょう。

2008/02/27

    抄録の書き方,情報の価値

日本家庭医療学会,日本プライマリ・ケア学会の学術集会抄録の締切が29日に迫っている.

うちのレジデントやHANDS-FDFの修了生達とコラボで(主にお手伝いだが)発表をする予定であるが,締切に向けて,抄録の確認をする作業が中心である.

抄録を書く際に色々と自分で気をつけていることがある(それらを中心にアドバイスをするのであるが)

形式がワークショップ,口演,ポスター(学会によっては研修プログラム紹介も)によって多少違うとは思うが,共通する部分だけ書き出してみよう

意識しなければならないこと
誰に対して抄録を書いているか

1.学会の運営に関与する人:要は応募がいっぱいだったときに採否の判断をする必要が出てくる
2.当日の学会の参加者:それを呼んで興味を持ってもらう必要がある
3.その他:偶然も含めて抄録を手にする人

この三者が抄録を読むときにどのような判断を行っているかというと

1.採否を決める人,委員会
学術集会はその学会のshowcase(展示会)であり,その学会の質や性質,雰囲気を表すものである.採否に当たり,まずは気にすること

内容の質がよいか
学会の代表として出して恥ずかしくないか
学会員のニーズに合うか(質がいくら高くても,学会の使命や,対象領域と外れていてはだせない)
など

2.当日の学会の参加者
自分のニーズと合っているか
しかも新たな学びや出会いがありそうか(知っていることしかなければ時間の無駄)
要は時間対効果があるか(同じ時間帯で重なっている他の発表や,ワークショップに対して)

3.当日の学会の参加者で,最終的にその発表は聞かない人(他のものを優先した人),当日は参加しないが抄録を読む可能性のある人

自分にとって興味があり,重要な内容か
発表者とコンタクトをとって詳しい内容を聞いたり,資料をもらえないかお願いする価値はあるか
そのときにどのように連絡を取ればよいか(ネットに所属の住所や電話番号,メールなどがある,もしくは電話番号案内で調べられるのであれば名前と所属だけでよいだろう.)
自分でそのことについて調べるときに参考となるキーワード

といった感じだろうか.

難しいのは,学会の運営者(採否の審査をする人)にはしっかり内容や質の高さをわかってもらわなけばならない(そもそも採択されなければ始まらない)ので,できるだけその判断ができるように詳しく書かなければならないが,抄録だけで全てがわかってしまうと,当日の参加者にしてみればそれで全てがわかってしまったり,ネットであとから調べればすみそうだ,ということになれば,わざわざ行く必要がない,ということになり他の発表が優先されてしまう.(実際個人的には,どの発表に行かないか,ということばかり考えているので,抄録だけで全部がわかる,概略がつかめるものには足を運ぶことはありません.知り合いが発表してそのサポートのために行くのは別.)当日来てくれた人には,より詳しい情報が手にはいるとか,抄録で「おそらくこのようなないようかな」とおぼろげに期待していた以上の収穫があるとかがないと「来てよかった」ということにならないので,どれだけ抄録に書くか,というのは意外と難しい.

STFMでは応募の際に,抄録に付け加えて,結構な枚数の詳細を提出しなければならない.抄録の字数は制限があるが,それだけではやはりどの発表を採択するか決めるには情報が不十分,ということなのだろう.このようにできていると,当然抄録と詳細の読者がちがうので,非常にやりやすい.抄録は上記2.3.の人たちを対象に,できるだけ当日きてもらえるような工夫を.詳細は(研究の場合はほぼ論文になる程度のものを,ワークショップの場合は進行計画書から,主旨,目的などまで)採択してもらえるように本気で全部書くことができる(これは一般に公開されない.ただ応募の段階でかなり詰めているので,抄録だけ出しておいて,当日が近づいてデータの分析をするとかいったあわては生じない.そもそも結果の出ていないものは学会に出すべきではないのだが.)

そこで,そもそもなぜ学会で発表するのかというところにやはり立ち返らなければならないのだが,理由はいろいろあるだろう.

1.発表者であれば大義名分を持って仕事が休める.
2.発表者であれば学会の参加費用をある程度払ってもらえる
3.多くの人に是非知ってもらいたいと思っていること(研修プログラムについて,研究でわかったことについて,日常の診療で工夫していることについて,など)を伝えたい.
4.自分が熱意を持って取り組んでいること,悩んでいることと同じようなことに興味を持っている人とネットワークを作りたい.
5.枯れ木も山のにぎわい.履歴書のエントリーとして必要(特に大学にいる人たち.つまりscholarshipの証明として

このぐらいだと思うが,そのどれかによって違ってくるだろう.1.2.5.であれば採択されることが最終目的なので,全てを書いてしまってよいと思うが,3.4.のように当日たくさんの人に来てほしい,ということであれば,やはり抄録で全てわかってしまわない(かつ,その発表を気かなければ,と思わせる必要があるが)ことも大事であろう.

まあ,抄録の字数は通常制限があるので,意図的に削らなくても,だいたい全ては入らないので,取り扱っているトピックが十分重要度や話題性の高いものであれば,必然的に,「もっと詳しく聞く必要がある」と思わざるを得ないと思われるが.

再度まとめると

自分のニーズにあうかどうか判断できるだけの具体性(来てみて全然思っていたものとちがうと満足度が下がる)
かつ抄録だけでは今一つ理解できないので/もしくは面白そうなので是非参加してみたいと思わせる表現
当日参加者の期待を越えられるだけの内容とサプライズを抄録から外しておく

当日他の興味有るセッションとぶつかって、参加を断念した人にも伝えたいメッセージ
当日他の興味有るセッションとぶつかって、参加を断念した人、参加した人が資料を希望したり、質問がある時に後からその内容にたどりつける手がかり(所属や名前、連絡先、キーワードなど)

といったあたりに落ち着くだろう.
まあ,どうひねったところでテーマが全て,というところはあるのだけれど.

診療所や一つのプログラムで少人数を対象にやった取り組みなどどうせEBM的には価値がないので発表しても無駄だ,という考えに対して

scholarship of discoveryという意味では確かにレベルが低いだろう,しかし学術活動はそれだけではない.
4つのscholarship参照.)

「自分が興味を持っていることについての情報を効率よく集めるにはまず発信することだ」

そのテーマに興味やこだわりがある人が反論をくれたり,「こんな取り組みをしています」「xxxxという人は知っていますか?同じようなことをしているので連絡をしてみたら」「私も興味あるので今度一緒にやりませんか」などの自分で一生懸命探していても見つからなかった情報やチャンスが飛び込んでくる.同じ興味を持つ人とのネットワーキングを効率よくするには発表するに限ります.

どのタイプの学術活動(scholarship)であっても,それはdissemination(普及)もって初めて価値を持つ,というのはとあるacademicianの言葉.全くそう思う.どれだけいいことをやっていても知っていても,それがどれだけの効果を持つかというインパクトが重要.以前にそのことは少し書いた

そのことは現在の情報の価値が静的情報ではなく動的情報に移行していることとも呼応する.

つまり情報は人と人の間を行き来してその関係性とcontextの中で初めて価値を持つ.ということ.「これすごくいいアイデアだから,もっといい形にして論文にしよう」と隠し持ってなかなか取り組めず,気がついたら,他の人が同じような内容で発表していたり,すでに時代遅れになってしまったりしたことはないですか?(私はいっぱいあります)

だから,ちょっとした種であっても,とりあえず一度人に投げてみる.そこで揉んでもらう.ネットに上げて世界中に揉んでもらう.それがalways beta versionというweb2.0的なこと.

ただそれができる前提としてく動的情報の後半に書いてある「バルネラビリティ」と「自発性」.これについては最近ずっと考えているボランティア精神と密接に結びついているのであるが,またの機会に.

数日ですが抄録がんばりましょうね,皆さん.発表することが大事です.

ちなみに静的情報はこちら
まだまだこれにこだわっている古い人たちがいます.残念ですが.

2008/02/24

    幸せは自分の中にある(中にしかない)

今週末は北海道家庭医療学センターの終了試験の試験官として室蘭へ行くことになっていた。「なっていた」と過去形なのは、いけなかったからである。

月曜日ぐらいに締め切りだった試験問題を木曜日ぐらいに提出、解説の提出はギリギリの土曜日の朝。(いつも済みません)
土曜日14時羽田発の飛行機に乗るべく車で袖ヶ浦バスターミナルへ。やけに風が強い(後に春一番と判明)気温は15度。日差しもあたたかく、家族にイチゴ狩りかドライブ日和とメールで提案。昼食を食べるつもりで12:30頃余裕を持って空港に到着。13:00発の札幌行きが欠航となっており、予定の14:00発は13:10の時点で天候調査の上、運行するかどうか決めるとのこと。どうやら雪?
予定は18:00すぎに東室蘭までたどりついて、筆記のパートを終えた今回の受験生6名との懇親会に参加。日曜日朝からの模擬診察の試験官。日曜日は午前中試験官をしたら午後は遅めの飛行機を取ってあるので、札幌によって3時間ほど食事や買い物を楽しむつもりだった。(札幌と福岡は個人的に大好きな町である。食べ物がおいしいのだ。出張の際は必ず1食はおいしいものを食べる計画を立てる)
13:10の決定まではどうしようもないので予定通り昼食。おそば。最近はあっさりしたものが中心。カロリーを気にしているわけではなく、純粋に体がそのようなものを欲している。食事後確認。予定通り運行と。少し書店にたちよって物色、読みたい本が多いが、今購入して読めてない本が多いので、購入はなし。25分前ぐらいになって検査場へ。skipサービス(カードをかざすだけで通れる)をかざすが、エラーが出る。???何度やっても。

この間発券カウンターで一騒動あったが、その経緯はあまりにも恥ずかしくて公表できません。自分はやっぱりlast minuterなんだと再確認。。。とほほ

16:20や17:00の便などの候補も提示されたが、最終的に14:30の便が確保される(15:00の便は欠航であった)。ただし、天候によっては引き返す可能性もあることを了承の上の運行ですと。適宜今回の終了試験の主催者のK先生に状況報告。「千歳か羽田から再度電話します」航空機が羽田に戻ってきていないので45分遅れと既に発表されている。そのあと待つ間にさらに10分遅れ15:25の離陸と公表。搭乗手続きをして機内に全員座るも、離陸の順番待ちが20番目とのこと。離陸まで機内でずいぶん待つ。(悪天候で遅延便が多い為。ちゃんと離陸許可を確認しないと先日のJ○Lのようになってしまう)離陸するが三沢上空でアナウンス。着陸許可まで30分ほど旋回して待ちますと。最終的に羽田についたが、ターミナルと接続する通路が動かせないとのことで階段を付け直すことになりさらに待つ。この間に読みかけの新書読破。

日本の10大新宗教 (幻冬舎新書 し 5-1)
日本の10大新宗教 (幻冬舎新書 し 5-1)
  • 発売元: 幻冬舎
  • 価格: ¥ 756
  • 発売日: 2007/11
  • 売上ランキング: 296
  • おすすめ度 4.0

ターミナルに入ったのは18:20ごろ。懇親会に間に合う電車を丁度逃した所です。懇親会1時間ほど遅れます。とK先生に電話。そのままJRの駅へ。改札の手前に人が大量に並んでいる。スーパー北斗に乗り換える南千歳行の列車が雪で運行していないので、ホームに人がいっぱいになり、入場制限をしているとのこと。とりあえず切符を買う列に並ぶ。窓口で「東室蘭まで電車走ってますか」走ってるけど遅れてます。19:49のスーパー北斗に乗るには19:25の南千歳行に乗らないと行けないけどどちらも同じ線路を通ってくるので、遅れているから大丈夫です。

改札に入る為の列に並ぶ。やがて空港到着の列車が到着その乗客が改札から出るのを待って改札の入場制限が外される。何とかその列車に乗る。たった一駅の南千歳までの道で電車が止まる。放送で、線路の接続を切り替えるポイントの変換が雪でうまく行かないらしい。(この後最後までこのポイント切り替え不能に影響を受ける)。

5分ぐらいの停止の後に南千歳で下りる。当然19:49発スーパー北斗は遅れている。市かもポイントがきり変らないので来る見込みはないと。

何度か「来ます」という誤報に惑わされながら最終的に電車が南千歳を出たのは23時を回っていたのではないだろうか。

この待ち時間で、もう一冊の読みかけの本を読破。
短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント
短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2007/09/29
  • 売上ランキング: 87
  • おすすめ度 4.5


更別村診療所、夕張、室蘭と1週間見学をして、修了試験で合流するはずだったうちの後期レジデントK君から電話「2次会行きますけどどこですか」。まだ南千歳で電車を待っていたので、無理です。。。

良かったのは電車が来る30分前ぐらいにはっと思い立って、指定席をとったこと。虫が知らせたのだろうか。待つ間に空港からは数本電車が到着して、スーパー北斗を待つ人は増えるばかりだった。自由席を狙っていた人は当然座れない人も出て、この後大変な羽目に。。。

南千歳は出たものの結局3駅目の沼ノ端で停止。(3駅目ということはこれを書いている今解った)次の苫小牧のポイント変換がうまく行かないことと除雪がうまく行かないとのこと。
除雪作業が済むまでお待ちください、のアナウンスだけが何度も繰り返され、気がついたら眠りに落ちており朝5時頃目が覚めたら、ブレーキ凍結防止の為に何度か1メートルずつ動いた以外は一切進んでいなかった。。。。深夜にホテルに着いたら夕食どうしようとかいろいろ考えていたのだが結局車中泊とは。

眠りに落ちるまでに、買ったまま、手がつけられていなかった日経アソシエ読了。「何をするかではなく、何をしないかだ」とはいうものの。。

経過を適宜家族にメールする中、共感の内容と共に「読書進んだやろ?」一言も本読んでるといっていないのに、全部解っている所が連れあいのすごさ。出張には読みかけの本、手の付いていない本何冊もかばんに入れているのです。(結局一切手をつけずに帰ってくることも多いけれど)。こういう時はDSあってもいいかもね。

日経ビジネス Associe (アソシエ) 2008年 2/19号 [雑誌]
日経ビジネス Associe (アソシエ) 2008年 2/19号 [雑誌]
  • 発売元: 日経BP出版センター
  • 発売日: 2008/02/05
  • おすすめ度 4.0


明け方になって、全車両のトイレのタンクがいっぱいなので、トイレに行く人は駅のホームへと。状況確認がてら外へ。無人駅。すごい吹雪。雪を甘く見ていた。隣の指定席は空いていたがカップルが交代ですわって仮眠。その向こうも、高校生ぐらいの女友達が2人で交代で座っている。ケータイの乗り換えナビで南千歳と沼ノ端を見ると30分ほど。外を見ると車は少しずつ走っている。(今回ばかりはケータイで乗り換え検索できて良かった。見知らぬと地で距離感が解らない)6時すぎるのを待って主催のK先生に「いつ電車が動くか解らないし、東室蘭まで行けたとしても、今度は戻れるか解らない。空港の方へ戻るつもりです」とおわび。やっぱり明日の朝には現場に戻りたい。(雪で帰れなくなりました、といって一泊余分にするのは簡単なんだけど。)ホームのトイレと行き来するうちに、試験を手伝うことになっていた更別村診療所のA先生とばったり。なんで?昨日夜札幌に出ていたとのこと。同じ電車で夜を明かしたのね。空港がそれほど遠くないからタクシーで空港へ戻ろうと合意。なんだかんだする間に幸い流しのタクシーが一台捕まる。視界の悪い中安全運転で空港まで行ってくださった。感謝。車中での会社の無線では車を出すのは止めていると。
自由席では床で寝ていた人たちもいたとのこと。

東室蘭までの往復切符をまた並んで払い戻してもらい、(多くの人が函館経由で八戸、新幹線を考えていたようだが、その室蘭本線が止まって僕は車中泊だったのだよ)A先生と空港のレストランでスープカレー(夕食兼夜食兼朝食兼昼食)。空港発着のJRは午前全部運休。千歳発の飛行機も午前はほぼ全面運休。僕の便は18時後半。航空券購入カウンターは欠航の変更と空席待ちで長蛇の列。雪は止んでおり、風はおさまってきている。除雪も進んでいる様子。15時の現時点でも

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▲札幌〜東室蘭・函館間の特急列車
【昨日 2/23出発】
・約13時間〜14時間30分の大幅な遅れが発生しています
【本日 2/24出発】
・札幌 12時22分発 函館行き 特急「スーパー北斗12号」 : 全区間運休
・函館 11時00分発 札幌行き 特急「スーパー北斗7号」 : 全区間運休
・函館 13時29分発 札幌行き 特急「北斗11号」 : 全区間運休
※なお、運転列車についても遅れが発生しています。

◆千歳線 札幌〜新千歳空港間 : 運転見合わせ中・なお苫小牧方面については復旧に時間を要する見込みです
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函館経由では帰れていない。空港に着いたのは午前10時頃だが札幌へは遊びに行けていない。

A先生と昼過ぎに別れてからは空港内のローソンへ歯ブラシを買いに行くが皆同じことを考えているのだろう。歯ブラシ、シャツ、靴下などはのきなみ売り切れ。諦めて、空港内のスーパーラウンジへ、別に安い利用料で入れるのだが、年に1回あるかないかのこういう時のためにゴールドカード(利用が無料になる)を持っておくのは悪くない。hospotも普段契約していなくても1日500円でネット環境が確保でき、13時すぎから日差しの良い除雪の進む空港を見ながらフリードリンクでネット環境を利用している。新聞も読めたし。本当はもっと仕事に当てるべきなのかも知れないが。。。

ーーーーーーーーーーーー

僕はいつからかこういうことが起きた時に「なぜ、今、自分に、このタイミングで、このようなことが」と考える癖がついてしまった。天候が悪かったから、とかではなく「なぜ、今、自分に」なのである。この質問は時々大変な状況をくぐり抜けようとしている患者さんにも投げかける。

すべての現象には意味がある。ただそれが後々になるまで解らないだけだ。

もしあそこで予定通りの飛行機に乗れていたら、電車が遅れずに室蘭に着いていたら。。。それは誰にも解らない。でもそうなっていたら、もっとひどいことが起こったのを、誰かが、何かが一生懸命引き止めてくれた。その為に、飛行機が遅れたり電車がとまった。そう考えるだけで、「ああ、何かから未然に守られた。ありがたい」という気持ちになる。

まだ予定の飛行機が飛ぶかどうか、定刻に飛ぶかどうかも解らない。(飛びそうな雰囲気ではあるが)

でも、本も何冊が片づけることが出来たし、A先生とタクシーの中とスープカレーを食べながら他愛もない話もできた。新聞も読めたし、あまりにも待ち時間が暇で、ずっとメールできてなかった人にメールが出来た。これほどダイヤが乱れるのはめったにないことのようで、そういう経験も出来た。(実はHCFMの修了試験に参加する時の飛行機は毎回遅れているのだが。。)空港の人にも助けてもらった。こうやって大変な2日間を振り返って、良かったこと探しをする時間も出来た。

すべてが必然と考えた時に、一見不幸だと思えるさまざまな出来事の中にも奇跡とも思える偶然(それも必然なのだが)がちりばめられていることに気づく。

そうやって人はいつも自分の中から幸せのタネを見つけ出しすから毎日を暮らしていけるのだ。というよりそうするより幸せに生きる方法はないのだと思うのだが。

幸せは自分の中にある(中にしかない)

有る意味逆の極端な認知のゆがみなのだが、そうやってゆがめて世の中を見なければやっていけない、そんな世の中に今我々はいるのかも知れない。

これからも極端な楽観主義者でいきたいと思います。

でも僕の問題に苦戦する受験者の人たちがみられなかったのは残念。

最後まで読んでくださった皆さん、有り難うございました。もうちょっと時間あるので仕事頑張ります。