2009/07/25

    5マイクロスキル(OMP: One Minute Preceptor)one pager

現在医学教育学会に参加中です
いろいろなことを学んでいます。

プレカンファレンスワークショップに誘っていただき、少しだけお手伝いをさせていただきました。
具体的には5マイクロスキル(OMP:One Minute Preceptor)の一目で分かる資料を作成して配布資料の中に入れていただきました。新たに出たエビデンスのレビューなどを追加しています。

5マイクロスキル(OMP)one pager

どうぞご自由にWSや院内勉強会でお使いください。

懇親会で頂いた質問

Q:マイクロスキルは岡田がオリジナルですか?
A:オリジナルは
Neher et al. A five-step "microskills" model of clinical teaching. J Am Board Fam Pract (1992) vol. 5 (4) pp. 419-24
です。
ただ日本へ紹介したのは私、ということになっているようです。(エビデンスがないことの証明や最初であることの証明は難しいのが常ですが)
初演は2002年。

岡田唯男,藤沼康樹.「機会を逃さないための外来指導 」,ワークショップ.第17回家庭医療学研究会学術集会・総会 ,東京,2002年11月


文献としては2004年。(下記)

Q:6つのマイクロスキル、という方法もあるようですが。。
A:6つ目が今後の学習テーマを見いだすというのだと思います。別に加えてよいと思います。
ただある程度エビデンスが検証されているのは5つのものです。(上記One Pager参照)


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これが唯一の方法でもありませんし、その他には

The Aunt Minnie model
The SNAPPS model
Activated demonstrations
などがあり、
最近は
The GRIPE Model
というのも言われています。

気に入ったものがあればどれでもよいと思いますし、自分のスタイルがあればそれでもよいと思います。いつも話しているのは、様々な患者さんがいて、同じ診療スタイルや説明方法では全ての人に対応できないのと同様、学習者も千差万別。その方法に乗り換えましょう、ということではなく、自分のn番目の新たなる教育レパートリー/スタイルとして追加してください。ということ。
今までやっていたことがうまくいっていればそれをやめる必要はありません。ただし、本当に「うまくいっている」か確証がありますか?

プロセスはわかりやすくしたり、多くの人に知ってもらうために重要ですが大事なのは学習者が学び、患者さんのケアが向上すること。
本質を見失わないよう。

効果的に外来で教育を行う—5つのマイクロスキル - 特集 地域で医師を育てる—地域保健・医療研修で何をするか 診療所研修を魅力的にするために.JIM.2004; 14(5): 399-403

岡田 唯男. 1分間プリセプティング one minute preceptor. In:日本プライマリ・ケア学会 編.プライマリ・ケア用語集.東京:エルゼビア・ジャパン株式会社;2005:22.
プライマリ・ケア用語集
日本プライマリケア学会
エルゼビア・ジャパン ( 2005-05 )
ISBN: 9784860345396

2009/07/19

    日本人が米国へ行くと太るが家族との時間が増える

Lifestyle changes of Japanese people on overseas assignment in Michigan, USA

Kazuya Kitamura , Michael D Fetters , Kiyoshi Sano , Juichi Sato and Nobutaro Ban

Asia Pacific Family Medicine 2009, 8:7doi:10.1186/1447-056X-8-7

Published: 16 July 2009

ミシガンに限って,ということになるかも知れませんが...
女性は特に身体症状と不安が増えるそうです.またたばこ,アルコールの習慣については変化なしと.

暫定のabstractから

Results
Most participants reported increased caloric intake, weight gain, and less exercise. They also reported increased time with family. More women than men reported physical symptoms and anxiety related to stress. Smoking and alcohol intake were essentially unchanged. No associations were identified between length of residence in the US and health lifestyle habits or other health outcomes.

Conclusions
Negative lifestyle changes occur in diet and exercise for overseas Japanese people, but a positive change in increased family time was found. Women appear to be at a greater risk for somatic disorders than men. As duration of stay does not appear predictive of adverse changes, clinicians should advise patients going abroad of these risks regardless of the term of the work assignment.


滞在期間との関係はないそうです.
海外出張予定の方には予防接種などの話だけでなくこういうアドバイスも.

独り言:最近医学誌へ投稿する側が費用を払う例が増えています.この雑誌も所属施設が BioMed Centralのメンバーでなければ$1525です!

これは,利益相反やPublication biasに繋がらないだろうか..