家庭医療の実践と教育の場として現在のクリニックがスタートしてから2年半.多くの家庭医療学会認定プログラムが出来,初期研修でも名を知られた病院が,家庭医療プログラムに本格的に取り組み始めています.そんな中,少しだけ先を行く者の利点として,そういったプログラムの準備,立ち上げに関わる人が見学,相談に来られます.
関西のo病院
北方のk会t病院
九州のk病院(i病院関連)
を始め,本当に多くの方が館山という遠いところまで来られ,相談を受けます.
「その成功,失敗,反省,苦労などを聞かせて下さい.」
とのことです.
全部お話ししています.それらを踏まえてよりよいサテライトクリニック,家庭医療研修プログラムを作って頂ければ先に走り出した者の冥利に尽きます.
私たちも追い抜かれないように精進します.
2008/09/29
たくさんの方が視察に来られます
WONCA APR Melbourne 2008
サポートをするということ
私は10月3日からオーストラリアのメルボルンで開催されるwonca APR(世界家庭学会 アジア太平洋地区)の運営委員(書記官)としての準備で目がまわりそうです.学術会議は3日からですが,COUNCIL MEETING(加盟国の代表が集まって行う国際会議)が2日からで当日入りは危険なのでその準備もかねて前日入りするために明日出発です.
英語でのAGENDA(議事案+資料)作製です.また終了後は英語での議事録の作成が待っています....
リーダーはリーダーについて行く人たちのために働く(尽くす)のが仕事.マネージャーはそのリーダーを支えるのが仕事.会議がうまく運ぶように混乱の種を取り除いて資料や議事案を用意するということで,影のサポーターです.
会期中はたくさんのランチ,ディナー,レセプション,カクテルパーティーなどの社交イベントに招待されており,参加しないわけにも行かず,内向的な性格(信じられない人もいるかもしれませんが)としては気疲れをすごいしそうで心配です.
いわゆる外交.です.
世界中の人の健康のために,(今回はアジア太平洋地区の人のために,ですが)プライマリケアの質と底へのアクセスを向上させることを通じて貢献しようというのがWONCAの使命です.その共通の目的のためにに国境を越えて協力しましょうということです.
そのために運営委員会(EXECUTIVE COMMITTEE)は各国の代表と連携をして協働をスムーズに出来るようサポートをします.
知っていることと出来ることは別物だなとしみじみ感じます.ただ,あるべき姿が分かっているのでゆっくりでも正しい方向に進んでいけるため不安はありません.
サポートというのはGIVINGということです.(見返りを求めずに)
それをするのは大変なことです.
でも見返りは必ずあるものなのです.(金銭的見返りにこだわらなければ)
徹底的に断ったこの仕事,他にやる人もいないため渋々受けたのですが,行ったことのない国に行くチャンスをもらい,苦手な種類の仕事に取り組むチャンスをもらいと,大変ありがたい限りです.
苦手分野に取り組むのは仕事を振られるのが一番ですね.
自分が時間と労力を提供することで,何かがうまくいく,何かが変わる,感謝される,世の中が少しだけ良くなる,何か少しだけ学んで今までの自分より成長する.
逆にそういう見返りはお金で買うことは出来ません.自ら身を挺して何かを提供することでのみ得られる成果なのでしょう.
ボランティア精神旺盛な人,というのはそういった世の中の本当の仕組みをよく知っている人のことを言うのでしょう.
これからまだ書類の準備が一杯残っています...