2009/12/10

    P4Pにおいて診療所毎のパフォーマンスの差を検出するだけの十分な症例数の診療をしているのか?

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何かを実現するためのインフラを整備するための研究。このタイプの研究が好みだったりします。今回もアブストラクトのみ。

背景
P4P(成果連動型診療報酬)についてそれを導入するに際してそもそも,診療所毎のパフォーマンスの差を検出するだけの十分な症例数の診療をしているのか?

Medicareの患者において2005年の一年間で外来のプライマリケア医のコストや質の指標について診療所毎の10%の差を検出する為に必要な症例数があるか。

使用した指標 1)66−69歳のマンモグラフィ実施率、2)66−75歳の糖尿病患者におけるA1c測定率、3)予防可能な入院の発生率、4)心不全退院後の30日以内再入院率

1),2)において10%の差を検出するのに十分な症例数があったのは医師が11人未満の診療所では全診療所の10%未満。一方で50人以上の診療所では全ての診療所

3)4,)においては10%の差を検出するのに十分な症例数があった診療所は存在しなかった。

考察)

10%の差を検出するのに十分な症例数があったのは医師が11人未満の診療所では全診療所の10%未満。


成果連動型診療報酬を導入するには医師、診療所が納得のいく成果の評価方法でないといけない。
ソロプラクティスが中心の日本ではP4Pを導入するには症例数が不十分か?
医師50人以上なら,ということでまず病院からの導入となるか。そうするとまた診療所の質が後回しに。
10%でなく5%の差の検出ならばもう少し症例数は少なくて済むだろう。ではそこで証明された統計学的有意差は、診療報酬の差に反映してしかるべき臨床上意味のある差か、という問題は別。 (例えば診療所Aと診療所Bでマンモグラフィー実施率80%vs90%の場合と85%vs90%の場合など)


http://jama.ama-assn.org/cgi/content/short/302/22/2444?rss=1

Relationship of Primary Care Physicians' Patient Caseload With Measurement of Quality and Cost Performance
David J. Nyweide, PhD; William B. Weeks, MD, MBA; Daniel J. Gottlieb, MS; Lawrence P. Casalino, MD, PhD; Elliott S. Fisher, MD, MPH
JAMA. 2009;302(22):2444-2450.
Context Sufficient numbers of patients are necessary to generate statistically reliable measurements of physicians' quality and cost performance.
Objective To determine whether primary care physicians in the same physician practice collectively see enough Medicare patients annually to detect meaningful differences between practices in ambulatory quality and cost measures.
Design, Setting, and Patients Primary care physicians in the United States were linked to their physician practices using the Healthcare Organization Services database maintained by IMS Health. Patients who visited primary care physicians in the 2005 Medicare Part B 20% sample were used to estimateMedicare caseloads per practice. Caseloads necessary to detect 10% relative differences in costs and quality were calculated using national mean ambulatory Medicare spending, rates of mammography for women 66 to 69 years, and hemoglobin A1c testing for 66- to 75-year-olds with diabetes, preventable hospitalization rate, and 30-day readmission rate after discharge for congestive heart failure (CHF).
Main Outcome Measures Percentage of primary care physician practices with a sufficient number of eligible patients to detect a 10% relative difference in each performance measure.
Results Primary care physician practices had annual median caseloads of 260 Medicare patients (interquartile range [IQR], 135-500), 25 women eligible for mammography (IQR, 10-50), 30 patients with diabetes eligible for hemoglobin A1c testing (IQR, 15-55), and 0 patients hospitalized for CHF. For ambulatorycosts, mammography rate, and hemoglobin A1c testing rate, the percentage of primary care physician practices with sufficient caseloads to detect 10% relative differences in performance ranged from less than 10% of practices with fewer than 11 primary care physicians to 100% of practices with more than 50 primary care physicians. None of the primary care physician practices had sufficient caseloads to detect 10% relative differences in preventable hospitalization or 30-day readmission after discharge for CHF.
Conclusion Relatively few primary care physician practices are large enough to reliably measure 10% relative differences in common measures of quality and cost performance among fee-for-service Medicare patients.

2009/12/06

    医療従事者の仕事満足度に関連する要素

HANDS-FDFの現在のフェローの質問に触発されてざっと目を通した論文(ほとんどabstractのみだが)
医療従事者の離職と満足度に関して
結構meta-analysisとかまであるのは驚きました.まだまだ勉強不足.
The Journal of Nursing Administration:から3つも見つかりました.日本にも看護管理という雑誌がありましたね.

相関はあくまで相関.どちらが先かは分からない.ストレスー>満足度のような気になるが,満足度が低いからストレスが高いという順序もあり得る
記述的研究の限界

当たり前の所見が多いような印象でしたが,逆にそれだけ当たり前のことが実現されていない職種なのでしょう.

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なぜ職場満足度が重要か

J Health Care Mark. 1996 Winter;16(4):14-23.
Happy employees lead to loyal patients. Survey of nurses and patients shows a strong link between employee satisfaction and patient loyalty.

Atkins PM, Marshall BS, Javalgi RG.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10169075

職員の満足度が高いと患者満足度も高い
内部顧客と外部顧客の相関.


その要素についての考察


Factors Associated with Nursing Home Staff Turnover
The Gerontologist 1996 36(4):512-517; doi:10.1093/geront/36.4.512
http://gerontologist.oxfordjournals.org/cgi/content/abstract/36/4/512

高齢者ナーシングホーム(特別養護老人ホームのようなもの)の職員の入れ替わり
助手(ヘルパー的な人)の離職率は多職種のケアプラン会議への参加による激減
利益追求型のホームでは離職率が高い
入居者の評価,研修や労働量,入居者の重症度,支払者(保険など)の種類,施設規模などは助手の離職率には関係なかった


Nurses' Job Satisfaction: A Meta-Analysis Of Related Variables
BLEGEN, MARY A.
Nursing Research: January/February 1993 - Volume 42 - Issue 1
http://journals.lww.com/nursingresearchonline/Abstract/1993/01000/Nurses__Job_Satisfaction__A_Meta_Analysis_Of.7.aspx

看護師15000人 48の研究から
仕事満足度と相関が高いのが
ストレス(-0.609)
組織の貢献(仕事満足度への?)(0.526)
ついで相関係数が0.2~0.5のものとして
上司とのコミュニケーション,自己決定権,認識,ルーチン化,同僚とのコミュニケーション,公平性,裁量権
関係が低かった物として
年齢,学歴,終身雇用(tenure)かどうか,専門レベル



The Relation Between Leadership Style and Empowerment on Job Satisfaction of Nurses
Morrison, Ruby S. DSN, RN; Jones, LaDon PhD, RN; Fuller, Bryan MBA
The Journal of Nursing Administration:
May 1997 - Volume 27 - Issue 5 - pp 27-34
http://journals.lww.com/jonajournal/Abstract/1997/05000/The_Relation_Between_Leadership_Style_and.7.aspx

地域の中心的な病院の看護師に匿名で
自分のリーダーシップスタイル(Bass's Multifactor Leadership Questionnaire)
エンパワーメントされている感じ(Spreitzer's Psychological Empowerment instrument)
仕事満足度(Warr, Cook, and Wall's job satisfaction questionnaire)
を記入

transformationalリーダーシップのスタイル
transactionalリーダーシップのスタイル
エンパワーメント
のそれぞれが仕事満足度と相関


Factors Influencing Satisfaction and Anticipated Turnover for Nurses in an Academic Medical Center
Shader, Karen PhD; Broome, Marion E. PhD, RN, FAAN; Broome, Carroll D. PhD; West, Mary Ellen RN; Nash, Mary PhD, RN, FAAN
JONA: The Journal of Nursing Administration:
April 2001 - Volume 31 - Issue 4 - pp 210-216
http://journals.lww.com/jonajournal/Abstract/2001/04000/Factors_Influencing_Satisfaction_and_Anticipated.10.aspx
大規模医育医療機関での看護師の調査

ストレスが多いと,チームの一体感が下がり,仕事満足度が下がり,離職率が上がる
仕事満足度が上がるとチームの一体感が上がり,離職率が下がる
より安定したシフトスケジュールでストレスが減り,離職率が下がり,仕事満足度が上がる

仕事のストレス,仕事満足度,チームの一体感,週末の残業はそれぞれ高い離職率の予測因子

週末の残業!


Nurses' Job Satisfaction, Organizational Commitment, and Career Intent
Ingersoll, Gail L. EdD, RN, FAAN, FNAP; Olsan, Tobie MS, MPA, RN, CNAA; Drew-Cates, Jessie PhD, RN, CFNP; DeVinney, Bonnie C. MHA; Davies, Jan PhD, RN
JONA: The Journal of Nursing Administration:
May 2002 - Volume 32 - Issue 5 - pp 250-263
http://journals.lww.com/jonajournal/Abstract/2002/05000/Nurses__Job_Satisfaction,_Organizational.5.aspx

最も仕事満足度が高く,貢献意欲の高い看護師の多くが5年以内に看護師を止めるつもりであると答えた.!

「やる気のない人との仕事がやる気のある人の気持ちをそぐ,という構造」


以下は医療従事者かどうか不明

Determinants of Employee Job Satisfaction: An Empirical Test of a Causal Model
Augustine O. Agho
Human Relations, Vol. 46, No. 8, 1007-1027 (1993)
DOI: 10.1177/001872679304600806

Price-Mueller turnover modelという離職に関するモデルがあるらしいがそれでは49%しか予測できず,それに別の要素を加えるとより説明できる可能性が高いという話.Price-Mueller turnover modelはネットでは見つけきれず


Five-factor model of personality and job satisfaction: A meta-analysis.
By Judge, Timothy A.; Heller, Daniel; Mount, Michael K.
Journal of Applied Psychology. Vol 87(3), Jun 2002, 530-541.
http://psycnet.apa.org/index.cfm?fa=buy.optionToBuy&id=2002-01666-011&CFID=4672912&CFTOKEN=27585900

5-factor model(性格分類の中では最も研究されている古典的な物の一つ)と仕事の満足度との関係
Big Five personality traitsとはOpenness, Conscientiousness, Extraversion, Agreeableness, and Neuroticism (OCEANと略す)の5つ
http://en.wikipedia.org/wiki/Big_Five_personality_traits

Neuroticism(神経症的性格:物事を陰性にとらえる傾向)とExtraversion(外向的な性格)のみが関連があった(相関係数はそれぞれ-0.29, 0.25) 5大重要性格全体としては0.41の相関

2009/11/24

    第20回 日本臨床スポーツ医学会 学術集会 参加まとめ

頑張って静脈の仕事(input->output、記録)を追いかけてやっています。この活動が自分自身のportfolioにもなります。
今年始まったプライマリケアスポーツ医学フェローシップ1期生の発表の指導教官として、自分自身も勉強をしなければと参加してきました。母校が開催主幹だったこともあると思います。

第20回 日本臨床スポーツ医学会 学術集会

まず、フェローの発表を貼付けておきます。

「家庭医がスポーツ医になる!~スポーツ外来とフェローシッププログラム~」第20回 日本臨床スポーツ医学会 学術集会 池尻 好聰 他

学会のメイン会場が無線LANフリーだったこともあり、そこで参加したものについてはtwitter経由で随時中継を実験的に行いました。
記録は
こちら
他の方からのレスポンスも含めたものは
こちら(こっちはうまく全部表示されないことがあるようです)

断片的な記録ですので,全体像がつかみにくいかもしれませんが、逆にその場でこの記録をしなかったトピックについては未だに振り返りとまとめが出来ていません。
完璧を目指すよりとりあえずの記録を目指す方が良さそうです。

気づいたこと
*スポーツ医学は集学的学問。本当に幅広い領域を取り扱うのでそれだけで専門分野となり得る。よってgeneralistがベースにある方がうまく行くだろう。
*各種委員会は 整形外科委員会(筋骨格系)、内科委員会(ぜんそく,心臓など)、産婦人科委員会(妊娠とスポーツ)、脳神経外科委員会(脳しんとう)、リハビリテーション委員会(リハ)として構成されており、それそのものが現状しかたないとしてもいびつ。
*発表は医師以外の参加者も多く(トレーナーなど)手術をしない人間でも十分勉強になるトピックが多い(妊娠とスポーツだけでシンポジウムがあったり、また動作解析といった運動整理学的なもの、歯科(マウスピース/マウスガードや競技と抜歯との関係)、鍼灸とスポーツなど本当に様々)
*第20回ということで実は家庭医療学会の発足と割と同じぐらいで学問としては若い。まだ学問としての混乱(内部での意見の相違)は見られる。参加している整形外科医の中にもスポーツ医は整形外科ではなくgeneralistの方がよく、スポーツ整形医はconsultantとして関わる方がよいのではという意見も。
*整形外科医、スポーツ整形外科医と、generalをベースにするスポーツ医は視点が違う。
*筋骨格系の軟部組織の診断に使用するエコーは整形外科医にとっても新しい領域。エコーを使い慣れた内科系generalistがより高いレベルに先に到達する余地は十分ある。
*スポーツに関わる医師は予防をかなり重点的に考える(彼らの言葉ではupstream治療と呼ぶ)。その意味でもプライマリケアの視点とかなり親和性が高い。
*清原選手のトークショーは学会参加者だけに向けて実施されたもので、膝の障害との戦いを中心に一個人としての強烈なナラティブで、大量の客観的データよりもいかに個人のナラティブの方が説得力があるかを再認識。大変よかった。

他流試合(異業種との交流)は大変価値のあること。来年もぜひ参加したい学会のひとつとなりました。

2009/11/16

    見えないものの重要性

教育の話はしばしば哲学的な議論へと発展します。できればリンク先も全部読んでみてください。

行動主義vs認知主義とも言えますが,認知にまで上っていない無意識のところの話なので、また少し違うかもしれません。
それを含めての技術移転(研修)というのは可能なのでしょうか。

以前CDが出始めた頃にLPには収録されている耳には聞こえない周波数の部分がなくなってしまうので質が落ちる、といって反対したオーディオマニアが多数いましたが、いかがでしょうか。

いまでもオーディオマニアは非可聴域を再生するために追加でそれ専用の高額のスピーカーをつけて(超高音はtweeter、超低音はサブウーファー)、「やっぱり違う」といっています。

アインスタインの名言
Everything that can be counted does not necessarily count; everything that counts cannot necessarily be counted. Albert Einstein.
「数えられるもののすべてに意義があるわけではない。意義のあるものすべてが数えられるわけではない。」

にも通じるところがありますが、可視化,言語化できないものは教えられるのか、教えられるとして,どのように教えるのか、そもそも教える必要があるのか。というところを考えていく必要がありそうです。
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行動の前に無意識は既に活動している。行動や、書かれたもの(形式知)はその結果でしかない。暗黙知はcaptureされた時点で暗黙知ではなくなってしまうというジレンマ。

暗黙知の次元 2009年11月15日 情報考学 Passion For The Future


形式知は暗黙知という巨大氷山の一角であり、たとえ自分の知識を書き出せる限り全部文字に書き出しても、なお知の本質的な大部分は隠れている。インターネット上に現れる知は膨大だがすべて形式知である。水面下にあるInvisibleな膨大な知をどう引き出すかが次の知の構造化の課題だ。「想像上の衝迫」はたぶん、活発なコミュニティの中にあるように思う。


2008年01月15日 マインド・タイム 脳と意識の時間


表現行為の多くが無意識の創作を意識が追認していくプロセス

「私たちの感覚世界へのアウェアネスは、実際に起こった時点からかなりの時間遅延することになります。私たちが自覚したものは、それに先立つおよそ0.5秒前にすでに起こっていることになるのです。私たちは、現在の実際の瞬間について意識していません。私たちは常に少しだけ遅れていることになるのです。」


関連エントリー
2008/03/13 質的研究 qualitative research のリソース

2009/11/02

    混乱の状況ほど本質に忠実に.週末の振り返り(2009/11/1)

昨日,気持ち的にずっと乗ってなかったインフルエンザのセミナー講師終了.苦手意識の強いモノだからこそ学びが大きいはずと言い聞かせて.

感染症の山本俊悟先生にはずいぶんと助けて頂きました.それぞれのスライドを併せて新型インフルエンザに関してだけで240枚 (4時間のセミナーですが)!

家庭医は通常一つのトピックについてかなり深いところ(通常専門的とよばれるところ)までつっこむことは少ないのですが,「教えることは2度学ぶことである」の言葉通り,改めて新型インフルエンザについての理解を深めることが出来ました.

専門家に相談することの目的は色々あると思いますが今回は,自分がやっていることが大丈夫であることの確認,という結果になりました.

参加者は少なかったですが居眠り率は低く,また帯広から80歳の現役のドクターも参加され,しかも一番質問数も多く,医師は生涯勉強ですが,襟を正す思いでした.

ネット中継も同時にされたのですが,ネット参加者からもなかなか鋭い質問があり,皆さんよく勉強されているな,という感想でした.

一方でまだ流行に入っていない地域の方もおられ,流行地域の人も含め蔓延期における事業継続計画についてはノーマークの方も結構おられました.

一般医療機関のための新型インフルエンザまん延期の診療継続計画作り(第2版)
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/090430-01.html

4時間いったいどう埋めようか,ということで始めましたが,今どんどん新しい情報が出ているということもあり,作り始めるとあれもこれもと逆に「何を削るか」を考える羽目に.

最終的には,長時間だからこそ伝えるべきメッセージを明確に,の原則に沿って,きちんとこちらの意図は達成できたのではないかと思います.(フィードバックはまだもらっていませんが)

特に最新の分野については改めてMcWhinnneyの言葉を引用しておきたいと思います.


「もっとも未分化な科学の領域ほどもっとも情報量が多い」非常にうんちくの多い言葉です。今の新型インフルエンザの例を考えてみましょう。わからないことや真理がまだ無いからこそ、多くの調査報告が出てくるんですね。
Sir Peter Medawarを引いて、「サイエンスにおける具体的な知識量の負荷はその領域の成熟度と逆比例する。サイエンスが進むにつれ、個々の小さな事実はその大領域の中で理解され、ある意味、一般化しつつある根本理論の中に取り込まてしまう。つまり、意識的に明文化され、意識されなければならないものではもはやないとして。」(成熟している領域ほど、その上位にあるメタ理論的なものの応用で対応可能だったり説明可能だったりしてとりこまれてしまうから。ということです)

続けて、McWhinneyはinformationとknowledgeを混同してはならないといいます。informationは確かに指数関数的に増える一方だが、それらの多くはほとんど価値が無く、寿命が短く、スペシャリストに対してのみの技術的な興味のみであり、そしてその多くは、医学の本質的なknowledgeに組み込まれるか、最終的に否決されることになる仮説を検証するためだけのものなのである。と


2009/06/25 ジェネラリストになろうとする際に感じる不安の元となるジェネラリストとスペシャリストの役割に関する6つの誤解 (McWhinneyより)

最後のスライドでは
目の前の危機なので対応せざるを得ないが,本当に亡くなる方が多いのは,やっぱりガン,脳卒中,心臓病です.糖尿病や高血圧,癌検診の推奨などやるべき事を粛々とやることを忘れずに,ということをお伝えしました.

リスク認識のゆがみを直すのも医師の大切な仕事です.(リスクコミュニケーションといいます)

真実はおもしろくない、とるにたらない、という態度ー感染症診療の原則
(一般の人のリスク認識はメディアによってゆがめられている)

Doctors have a duty to engage in social media OCTOBER 29, 2009 -Kevinmd.com
(特定の医療行為や情報に対しての根拠なきor悪意あるネガティブキャンペーンがtwitterやfacebookなどのsocial mediaを通じて大量に流れるので,医師も意識的にsocial mediaを通じてそれらを駆逐するほどの正しい情報の発信をしなければならない)

準備に徹夜だったため,帰りの運転が心配で休めるところを探したら都会では安い値段で仮眠をとれるところがあるのですね.ということも発見.それでも帰りは眠かったのですが..

嫁さんには「あなたの生活はびっくりするぐらい規則的に不規則ね」と言われてしまいました.でも本当はirregulary irregularなのよ.私は心房細動か!

昨夜は爆睡.

2009/10/30

    米国レジデンシーの全て(米国レジデンシーのデータ ACGME 2008-2009 data resource bookより

ACGME 2008-2009 data resource book
が公開されています。
レジデンシーとは日本でいう後期研修と考えて頂ければよいと思います。

気になったデータをピックアップ

レジデンシープログラムディレクター 
コア専門科の13%が新しいディレクターに交代
新しいディレクターの就任時 平均教育歴は14年
家庭医療のプログラムディレクターの交代の平均期間(平均寿命)は5.8年 (どちらかというと他の分野より短めです。私は7周年を迎えました)

レジデント
全領域の27%が外国の医学部出身(IMG: International Medical Graduate)
家庭医療では40%
家庭医療からのフェローシップで老年医学は57% スポーツ医学は16%
IMG率の高さで気になったのは内科からのフェローシップいくつか
集中治療 64%
老年医学 69%
呼吸器 85%!

IMG率の高い領域の順位は p.65
(一応IMG率の高さと研修中,または専門医取得後のQOLの高さとは反比例するといわれております。現金なアメリカ人ですから)

p.84 各分野の全体に対する比率
プログラム数は家庭医療が最大(全プログラム数の11.4%)
レジデント数は内科が最大 (全レジデント数の24.6%)
家庭医のレジデントは10.6%

家庭医療のレジデンシー修了者数 3070名
何らかの理由で修了しなかった,できなかった人381名 3.9%

人的資源の豊富さにはまだまだ負けています。
もしかしたら質の話よりもまずは数かもしれません。(この議論は結論がでないのですが)

2009/10/29

    少し体裁を変更しました。(twitter,tumblrとのリンク)

あまりにもblogの更新が滞っているのですが、
自分が手に入れた情報をそしゃくして原稿に起こしてblogエントリーにするというプロセスを踏むというプロセスの敷居が高いために結局発信できなくなってしまう情報が多いので、それほど加工しなくてよい物は数ヶ月前から実験的にtwitterで,最近はtumblr経由で発信しています。
それはこのblogとは別物としてやってきましたが、それなりに軌道に乗りましたので、リンクさせるために、このブログの左側にtumblrの最新エントリー、そして岡田唯男の頭の中にtwitter(twilogにて)とtumblrへのリンクを張りました。
ご参考まで。

2009/10/24

    第22回 医学生研修医のための家庭医療学夏期セミナー ブログ

秋の大型連休に合わせてわざわざ高知からお友達と一緒に来てくださった家庭医療学学生部会代表が見学記を書いてくださいました。

天気がよかったので外へ椅子を持ち出して振り返りと議論をしたのをよく覚えています。僕自身も対話の中で初めて言語化されて、またそれを受け取った他者によって言語化されて初めて気づく事がたくさんあります。

「何でも診るから家庭医なのではなくて、家族・地域を診るから何でも診られなくてはいけない」

今まで無意識の中にあった事ですが、このときの対話によって言語化を助けて頂きました。感謝。

遠いですが、見学の皆さんお待ちしております。

亀田ファミリークリニック館山 実習報告
2009.10.08.11:42