2008/04/16

    広大な海に恋い焦がれることを教えよ

2008年04月15日 学習する理由が、外的な理由である間は、プロフェッションではない 医学教育でのひとりごと

を読んでいて、以前から時々引用する言葉をふっと思い出した。
星の王子様の作者サンテグジュペリのことば。

If you want to build a ship, don't drum up people to collect wood and don't assign them tasks and work, but rather teach them to long for the endless immensity of the sea.

Antoine-Marie-Roger de Saint-Exupery

船を造りたければ、木を集めるために太鼓を鳴らして人を集めたり、仕事を割り当てたりするのではない。むしろただおわりなき広大な海に恋い焦がれることを教えよ。


いわゆる「背中を見せる」教育です。ただし、背中を見せる教育は「見せるべき背中」を見せなければならないということ。
自らが今の仕事を愛しているか。それがなければ弟子が仕事を愛することは難しい。

今医者いじめや社会的状況が医師が情熱を持って仕事をするのが困難な状況にしています。誰の責任ということではなく、悪循環をどこかで断ち切る必要があります。

http://www.blogger.com/img/gl.link.gif
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    Dale's Cone of Learning

これも以前のblogからの再掲(編集し直しています)

最近良く学び方等で引用される、




  • 聞いたことは、   10%

  • 見たことは、    15%

  • 聞いて見たときは、 20%

  • 話し合ったときは、 40%

  • 体験したときは、  80%

  • 教えたときは、   90%


記憶に残る学び方とは - *ListFreak




の数字。

Dale's cone of learning(もしくはDale's Cone of Experience)とよばれ、原典は

Dale, E. (1946, 1954, 1969). Audio-visual methods in teaching. New York: Dryden.

図はこのようにかかれることが多いです。

だが、
実はあの数字はでっち上げだという話.どこまで本当なのか.


People remember 10%, 20%...Oh Really? Monday, 01 May 2006 Will at Work Learning


上記サイトでDaleの1969年の第3版の中に出されている図を見ることが出来ます(数字は付記されていません)

私自身、講演等で、多用していた図でしたが、数字に根拠がないことを知ってからは使わなくなりました。
やはり引用する時は、原点に立ち返って自分で確認する必要性は今後も変らないのでしょう。

この問題へのもう一つの原因は少なくとも日本語の医学系論文での引用のルールにあります。
既に出版されている図やグラフをそのまま引用する場合は著作権者の承諾が必要なのですが、(断られることは少ないのですが)、多少改編する場合は出典の明記と「文献xxから著者により改編」と明記すれば著作権者に承諾が必要ないのです。当然incentiveとして改編した方が面倒な手間がないので、そうするわけですが、その際に引用者の恣意が入り込むわけです。

引用する場合はきちんと引用の原典を(読者が必要だと感じたら原典を参照できるように)
改編した場合はその旨を

最低限明記することが必要でしょう。


以下
http://www.internettourbus.com/arch/Dales_Cone_Drum_Corps-A072706.html
より

Dale's Cone of Nonesense
Audience: Educators, Librarians, and Trainers
Since many Tourbus riders are also educators or librarians, I thought I'd don my powder blue academic hood and share with you some interesting academic research. There is a concept in education called "Dale's Cone of Experience" that states that people generally remember:


10% of what they read
20% of what they hear
30% of what they see
50% of what they hear and see
70% of what they say or write
90% of what they as they do a thing
Often displayed graphically as a cone -- see http://teacherworld.com/dalescone.gif -- Dale's Cone has had a profound impact on the way we teach both children and adults.

And it is a complete and total fraud.

No, really. Will Thalheimer at Work-Learning Research delved into Dale's Cone and discovered that:

1. While Edgar Dale indeed did create a model of the
concreteness of various audio-visual material back in 1946, the model contained no numbers and no research was conducted to create the model. Dale's Cone was just a hunch, albeit an educated hunch, one that Dale warned shouldn't be taken too literally.

2. The percentages -- 'people generally remember 10% of what they
read' and so on -- were most likely added to Dale's Cone by an employee of the Mobil Oil company in the late 1960s. These percentages have since been discredited.

You can see Thalheimer's complete report online at

http://www.work-learning.com/chigraph.htm

It's an eye-opening read, especially if you're an educator, librarian or trainer. Let me also put in a plug for Thalheimer's blog at

http://www.willatworklearning.com/

While I've known about Thalheimer's investigation into Dale's Cone for a couple of years now, I've only recently discovered his blog. It contains a collection of "research-based commentary on learning, performance, and the industry thereof."


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    コトバの領収書、「庭園」としての人生、マルコビッチの穴

言葉の領収書.
以前のblogから再掲。
http://www.p-db.com/kotoba.html
http://cyblog.jp/modules/weblog/details.php?blog_id=143
http://blogs.itmedia.co.jp/koji/2005/12/post_10cf.html
で見られます.発案者はプレジデンツ・データ・バンク株式会社の高橋礎(はじめ)社長。
実際に買うことも出来ます.まあ相手に自分のことを印象づけるために始めたようですが,一方で複写式なので自分のところにもいつ誰にあったか,誰からどのような言葉をもらったかの記録が残るので.良い振り返りに成るのではないでしょうか.

そして今回は
私を現在の組織に引っ張ってくれた卒後研修委員長のN先生
3月23日に頂きました

life is a garden,
not a road
we enter and exit
through the same gate
wandering,
where we go matters less
than what we notice
~ Bokonon ~
(The Lost Book)


N先生ありがとうございました。

人生は良く「旅」に例えられます。上記の詩にある、

we enter and exit
through the same gate


と同じように普段住み慣れた生活から出て、またそこに戻ってくるのが旅です。仕事の出張は別にして、自ら行きたいと計画するたびの目的はなんだろうか。
死ぬまでに一度xxxを見てみたい。という目的もあるだろうが、それは、見て何かを感じるからなのだろう。

where we go matters less
than what we notice


どこに行くかではなく、どんなことに気づき、どんなことを感じるかの方が重要。

最近文献を調べ直した限りでは、今の所は死なない人はいない。すべての人は生まれた瞬間から死に向かっている。
人生の終点は「死」なのである。「死」が人生の目的だというつもりはないが、間違いなくすべての人が一度経由する地点である。
そこに至るまでに、何をし、どんなことに気づき、どんなことを感じるか。

そんなことを書いていると、「満足死」の提唱者の疋田善平医師の事が思い出される。

医療ルネサンス 在宅のデザイン 満足死 自分の死 自分でつくる (2007年9月24日 読売新聞)

読書感想文 奥野修司『満足死』講談社現代新書 2007-03-28

取材対象は疋田さんというお医者さんで、二人称三人称ではなくて一人称の死を「満足死」と呼んでいるようでした。で、死の段階を社会・他人に貢献できない「社会死」、自分の身の回りの世話ができなくなる「生活死」、心停止する「生物死」の三段階に分けて、「生活死」と「生物死」の間隔を短くできれば、「満足死」できる可能性が高くなると考えているようでした。


奥野修司「満足死」;講談社現代新書 ”朝吼夕嘆・晴走雨読”2007年04月08日

 本書で疋田医師の説く「社会、生活、生物」の3段階死は考えさせられた。


満足死 September 26, 2007 マタンゴ雑記Ⅱ

疋田先生には個人的に数年前にお会いしたことがあるのだが、(日本プライマリ・ケア学会の指導医ワークショップの参加者としてこられておりました。)80歳を超えているにもかかわらず、いろいろなことに積極的にとり組まれておられ、私の紹介したDale's cone of learningについても後日「出典を教えて欲しい」とわざわざ連絡をしてこられました。そのおかげで私も、Dale's cone of learningについては、一つ新たな学びを得ることが出来ました。ここ。

ここでは、もう一段階踏み込んで考えたい。


人生においての

we enter and exit
through the same gate


the same gate:出入り口はどこか。

人生を「庭園」と考えるならば、その外側にあるのは何か。
仏教的な考えでは「あの世」から「この世」に入って来て、終わりが来たらまた「あの世」へもどっていく。
他の宗教でも「死後」に行く所の設定がなされている。

六道もしくは六道輪廻という考えからすると、この世(人間道)はあくまで永遠に続く輪廻の通過点でしかない。その人間道が「garden」であるとするならばその外側になるのは残りの五つの道ということになる。
肉体はこの世に置いて行くわけなのでその六道をめぐるのは「精神」なのだが、その「精神」が永遠に六道をめぐり続ける中で人間道という「garden」に迷い込んだ時そこで何を見聞し、経験し、感じ、学ぶかという事が、その「精神」の経験値となり、つぎの「道」へ行き更なる修行を積むという風に考えるとしっくり来るのは自分だけだろうか。(そのつみかさねを業(カルマ)というのだが)

精神がこの世にいる間だけ使用する「肉体」という乗り物。それをきちんと手入れしていなければ乗り心地が悪いだろうし、時々ガタが来てレスキュー隊を呼ばないと行けない(受診、通院)ようでは人生という「旅」の体験もまたちがったものになるだろう(それも「旅」の一つ、と考える人も多いだろうが)。あいにく、車とちがって、肉体という乗り物は動けなくなった時に「代車」がないので、また動けるようになるまで整備工場入りか、動けなければそのまま「廃車」ということになる。

こんなことをつらつらと書いていたら急に「マルコビッチの穴」という映画を思い出した。これだから人間の脳は面白い。


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