2010/01/15

    病歴と身体所見でここまでわかる! 総合医スキルアップセミナー 11月ケースカンファレンス 水痘の7歳男児

恒例の総合医スキルアップセミナーの期間限定公開です。

※2009年11月29日東京都内で収録
この映像は、医療の向上に役立てていただく目的で、
主催者の御厚意により、期間限定で配信しております。(1月28日まで)


病歴と身体所見でここまでわかる! 総合医スキルアップセミナー
ケースカンファレンス担当
C&R グループビル2階大会議室 〒102-0083 東京都千代田区麹町二丁目10番9号

http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/special/career/jamep/

のシリーズ。


ケース 水痘の7歳男児
症例提供:岡田唯男氏
2009年11月29日東京都内で収録


実際の映像とスライドはこちら

なんとタイトルから診断名が「水痘」と書いてあります。
といったら当日は受けていましたが、結構まじめにスライドの最初に書きました。私の考えではこの総合医スキルアップセミナーでは扱う内容が

成人への偏重
診断への偏重

と感じていました。特に2つ目の診断の偏重では書籍や雑誌でもそうなのですが、いわゆる臨床決断というと主訴や病歴から,問診,診察を駆使して正確な診断にたどり着く、という「診断当てゲーム」的なものが多いですね。もちろん正確な診断があってよい治療が出来るのですが、臨床,特にプライマリケアの現場は

1. ほとんどが診断には困らない(感冒、胃腸炎、高血圧、糖尿病などなど)
2. もしくは診断は調べても解らない(不定愁訴という意味ではなく)が自然経過で症状がなくなってしまう

ものばかりで、
逆に 
診断はわかっているが治療がうまく行かない (アドヒアランスの問題、その他)
患者の受診理由以外に提供しなければいけない医療ニーズがある(患者本人の認識しないニード)
診断をはっきりさせないまま診療を継続する必要がある

などの診断以外の臨床決断という高度なサイエンスとアートが要求される事例は多いのですが、それらに日が当たることが比較的少ない、ということを主張する意味もありましたし、むしろそれらの方が家庭医の診療の大半を占めるからより現実に即したケースカンファレンスをやりたい。ということもありました。

水痘の子どもを本当の意味で包括的に診るということはどのようなことなのでしょうか。風が吹けば桶屋が儲かる的な展開と結末ですが、実際に私が対応した症例と対応した内容ほぼそのままです。お楽しみあれ。

2010/01/14

    ジェネラリストセミナー〜1日家庭医追体験記〜(名古屋)1/16

今週末16日(土曜)
名古屋で医学生の皆さんを中心に家庭医療の魅力についてお話しさせて頂きます。
私の話を聞いたことある方にはいつもの話ですが、私なりの家庭医療の魅力について聞いてみたい方はぜひご参加ください。
学生さんが作ってくださった告知内容をそのまま下記に添付します。

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◎ジェネラリストセミナー〜1日家庭医追体験記〜◎

今、医療先進国日本に足りない医療がある

専門分化の推進の中、分化されたのは分野だけでなく、患者さん
であった

患者さんを疾患ごと一人の人間として「診る」
その本当の意味を問うー

【日時】1月16日(土)

【場所】名古屋市立大学病院 研究棟 2階 臨床セミナー室
※地下鉄桜通線「桜山駅」下車三番出口目の前

【タイムスケジュール】
16:00〜開場
16:15〜17:00
アイスブレイク&家庭医て何?ディスカッション
17:00〜18:45
岡田唯男先生による1日家庭医追体験記
19:00〜21:00懇親会(希望者のみ)

【主題】
「家庭医の視点を追体験する」
家庭医は患者さんを診療する際に、診断や治療は当然ですが、それ以外に多くのことを考慮しながら診療しています。
とある症例を通じて家庭医が診療をしながらどのようなことを考がえているのか、それを皆さんに追体験して頂くことで家庭医の視点というのを感 じてもらえれば と考えています。

【講演者】
鉄蕉会 亀田ファミリークリニック院長
岡田唯男先生
米国で家庭医療学のレジデンシーを修了後、指導医となるため研修(フェローシップ)と公衆衛生大学院を並立して修了、
2002年亀田メ ディカルセンター入職。
2006年6月より家庭医療の実践、研修、研究の場として開設された亀田ファミリークリニック館山の院長。プライマリケア(家庭医療学)の専門家、卒後教育の専門家として院内外で活躍中。

【セミナー費】
学生500円
研修医・医師1000円

【参加方法】
fmzemi◯yahoo.co.jp  (◯を@へ変更)

◎氏名
◎所属(学年含む)
◎懇親会への参加の有無(別途食事代を徴収いたします)
◎家庭医に関して一言
をご記入のうえ、 ご返送下さい。

2010/01/11

    The Family Medicine Clerkship Curriculum

STFM (Society of Teachers of Family Medicine)のプロジェクトとして
表題のカリキュラムが整備されています

The Family Medicine Clerkship Curriculum

通常米国の家庭医療のクラークシップは通常3年目で2ヶ月ぐらいのところがほとんどだと思うので,また米国の医学生と日本の医学生のレベルを考慮すると,日本では卒後2年目にやる地域医療(必修化カリキュラム)の枠組みとして,もしくは3-6ヶ月程度の後期の選択研修,また日本家庭医療学会の診療所6ヶ月の部分のたたき台として有用なのではないでしょうか.
端的によくまとまっています.

リンクはpdfです.


the Executive Summary to the Clerkship Curriculum. (pdf)

the Family Medicine Clerkship Curriculum. (pdf)

鍵となる表を挙げておきます

Table 1 The Principles of Family Medicine
The biopsychosocial model
Comprehensive care
Continuity of care
Contextual care
Coordination/complexity of care

Table 2 Key Characteristics of Family Physicians
Prior knowledge of the patient
Care for a heterogeneous
patient population
Multiple settings with different diagnostic prevalence
Multi-purpose visits
Staged diagnostic approach
Opportunity for follow-up care

Table 3: Core Acute Presentations(省略)

Table 4 Key characteristics of Chronic Disease Management by Family Physicians
Chronic disease management knowledge and skill
Attention to co-morbidities
Continuity context
Relationship with the patient
Patient empowerment and self-management support

Table 5: Core Chronic Disease Presentations (省略)

Table 6 Characteristics of Preventive Care by Family Physicians
Evidence-based
Individualized
Opportunistic
Prioritized

Table 7 Core Health Promotion Conditions for Adults
Breast cancer
Cervical cancer
Colon cancer
Coronary artery disease
Depression
Fall risk in elderly patients
Intimate partner and family violence
Obesity
Osteoporosis
Prostate cancer
Sexually transmitted infection
Substance use/abuse
Type 2 diabetes mellitus

Table 8 Core Health Promotion Conditions for Children/Adolescents
Diet/exercise
Family/social support
Growth and development
Hearing
Lead exposure
Nutritional deficiency
Potential for injury
Sexual activity
Substance use
Tuberculosis
Vision