新人の時期です。
オリエンテーションは必要なのか。必要だとしたらどのぐらいの期間? なにをやる?
今からでは今年のものの変更には間に合わないかもしれませんが、参考までに他施設での取り組みを
週刊医学界新聞 第2735号 2007年6月11日
2週間で研修医を鍛えあげる方法 市立堺病院(大阪府堺市)
市立堺病院のオリエンテーションは「グループ制でのShadowing」の導入や「仕事人リスト」「失敗リスト」の活用によって年々ブラッシュアップされ,ほぼ完成形に近いという。課題としては,後期研修医のスタート(後期のオリエンテーションは現在1週間)を改善したいとのことだ。
「仕事人リスト」「失敗リスト」という言葉がいいですね。
この理論的裏付けはあとで。
週刊医学界新聞 第2735号 2007年6月11日
病院理念を反映した他職種や地域医療の体験 東葛病院(千葉県流山市)――他職種体験も重視されています。このねらいは何でしょう。
下 チーム医療の中で医師にはリーダーとしての役割が求められるわけですが,そのためにはコメディカルのパフォーマンスを十分に知る必要があります。医師はいったん伝票を起こせば終わりですが,その伝票を受けて仕事をしているコメディカルがいるから業務が成り立っているわけです。朝出した指示を2時間後に変えれば,指示を受ける側はいかにストレスを感じるか。医師からしてみれば,病状は刻一刻と変化するのだから変更も仕方ないかもしれません。でも,そういった時のちょっとした配慮が大切なのですね。
組織運営の重要なことは組織構成員が最大のパフォーマンスを発揮できるようにすること。ある部門のメンバーが簡単にできる仕事を、そのことを知らないために自分で苦労して、時間かかってやって、そのメンバーは手持ちぶさたにしている。
相手の立場に立った連携ということと同じぐらい人財を効果的に利用する、という意味では、他職種の人たちがどのような仕事ができるかを把握することは重要です。うちのオリエンテーションでも数年前から導入しています。うちは「他職種体験」まではいかず「見学」ですが。
川島篤志氏、下 正宗氏ともに良く知った間柄。共に初期研修医が対象なので、私の仕事とは少し異なりますが、他施設で同志が頑張っていることを風の便りで知ることで自分がさらに頑張って行ける気がします。
今月から、我々の施設でも家庭医を目指す4名の後期研修医と1名の初期研修医が研修を始めています。最初の1か月はオリエンテーションと称して他の11か月ではやらないさまざまな取り組みをするのですが、今年もまたいくつもの新しいアイデアを試験的に導入する予定です。
一つだけ先述の記事にからめて。レジデントからのアイデアで、入院ではありませんが、受診体験を新人にしてもらいます。受診される方の待つ時間の長さとか(意図的に待たせているわけではありませんが)、患者側の視点から我々の診療がどのように見えているか、などをまだ仲間として完全に打ち解ける前に外部者の視点で我々の診療の改善点も見つけてもらおうという意図も含まれています。どうなることやら。