2009/11/24

    第20回 日本臨床スポーツ医学会 学術集会 参加まとめ

頑張って静脈の仕事(input->output、記録)を追いかけてやっています。この活動が自分自身のportfolioにもなります。
今年始まったプライマリケアスポーツ医学フェローシップ1期生の発表の指導教官として、自分自身も勉強をしなければと参加してきました。母校が開催主幹だったこともあると思います。

第20回 日本臨床スポーツ医学会 学術集会

まず、フェローの発表を貼付けておきます。

「家庭医がスポーツ医になる!~スポーツ外来とフェローシッププログラム~」第20回 日本臨床スポーツ医学会 学術集会 池尻 好聰 他

学会のメイン会場が無線LANフリーだったこともあり、そこで参加したものについてはtwitter経由で随時中継を実験的に行いました。
記録は
こちら
他の方からのレスポンスも含めたものは
こちら(こっちはうまく全部表示されないことがあるようです)

断片的な記録ですので,全体像がつかみにくいかもしれませんが、逆にその場でこの記録をしなかったトピックについては未だに振り返りとまとめが出来ていません。
完璧を目指すよりとりあえずの記録を目指す方が良さそうです。

気づいたこと
*スポーツ医学は集学的学問。本当に幅広い領域を取り扱うのでそれだけで専門分野となり得る。よってgeneralistがベースにある方がうまく行くだろう。
*各種委員会は 整形外科委員会(筋骨格系)、内科委員会(ぜんそく,心臓など)、産婦人科委員会(妊娠とスポーツ)、脳神経外科委員会(脳しんとう)、リハビリテーション委員会(リハ)として構成されており、それそのものが現状しかたないとしてもいびつ。
*発表は医師以外の参加者も多く(トレーナーなど)手術をしない人間でも十分勉強になるトピックが多い(妊娠とスポーツだけでシンポジウムがあったり、また動作解析といった運動整理学的なもの、歯科(マウスピース/マウスガードや競技と抜歯との関係)、鍼灸とスポーツなど本当に様々)
*第20回ということで実は家庭医療学会の発足と割と同じぐらいで学問としては若い。まだ学問としての混乱(内部での意見の相違)は見られる。参加している整形外科医の中にもスポーツ医は整形外科ではなくgeneralistの方がよく、スポーツ整形医はconsultantとして関わる方がよいのではという意見も。
*整形外科医、スポーツ整形外科医と、generalをベースにするスポーツ医は視点が違う。
*筋骨格系の軟部組織の診断に使用するエコーは整形外科医にとっても新しい領域。エコーを使い慣れた内科系generalistがより高いレベルに先に到達する余地は十分ある。
*スポーツに関わる医師は予防をかなり重点的に考える(彼らの言葉ではupstream治療と呼ぶ)。その意味でもプライマリケアの視点とかなり親和性が高い。
*清原選手のトークショーは学会参加者だけに向けて実施されたもので、膝の障害との戦いを中心に一個人としての強烈なナラティブで、大量の客観的データよりもいかに個人のナラティブの方が説得力があるかを再認識。大変よかった。

他流試合(異業種との交流)は大変価値のあること。来年もぜひ参加したい学会のひとつとなりました。