2009/09/11

    家庭医ポリデント論

木曜日の夜は家庭医療学の理論的基盤についてのカンファ。昨夜は先週から引き続き在宅医療、とくに導入時面接を切り口に。発表者は「安心」をキーワードに。場所が変わる.医療従事者が変わる。環境が変わる。安心とはその継ぎ目で継続性をいかに担保するかのこと。いかに家に帰る患者さんとその家族に安心してもらえるか、そのためには自分たち医療者が安心して病院の医師から引き継ぎをするかが重要、といった話に。

以前から家庭医は通訳/翻訳の仕事(違う言語の間を取り持つ)、もしくはコンピュータでいうOS(コンピュータの2進法の言語と、人間の言語を取り持つ)という主張をしてきました。

違うもの同士の接触面(interface)を扱う仕事。

難しい医学という学問と患者さんの生活というinterfaceを扱う仕事。

「そのもの」「そのこと」自身というより、それらを取り巻くモノ、コト、との関係性を取り扱う。

どこまでいっても関係性(relationship)をうまく取り持って整合させる仕事。relationship based medicineという言葉が思い出させる。

少し前に誰かとの会話で思いついたアイデア。

面と面との間(interface)を取り持って、うまく合わせる、という意味では家庭医はポリデント。

うまくやらないと間に物が挟まって痛いんです。


追記)通訳、OS、ポリデント一応僕が言い出しっぺという事にしてください。
追記2)ポリデントとは総入れ歯と歯茎の隙間を組まなく埋めて、噛みやすくしたり、その隙間に食べ物が入り込んだりしないようにする、ゲル状の接着剤のようなもの。

2009/09/07

    東京Jazzに行って学んだこと(Jazzと家庭医療の意外な共通点)

東京Jazzに行って学んだこと
東京Jazzという3日間のイベントに行ってきました(日曜の夜だけ)

http://www.tokyo-jazz.com/

情操教育の一環として子どもも連れて行ったのですが,19時開演で4バンドが出演予定.1つめが終わったところで50分+15分休憩...全部終わったら何時?

結局最後のバンドの途中で退出,勿論館山まで戻ったら深夜1時前.
子ども達よ済まん!明日(今日)学校・幼稚園なのに!
どうかjazzのこと嫌いにならないで.

Jazz playerとして,家庭医として色々と思うところがありましたので少し.

Jazzについて

1.現在のjazzは複雑になりすぎている.

芸術の一つである以上originalityを追求することが必要で,特にJazzはこれまでの流れに自分らしさを乗っけて新しい「何か」を生み出すことを要求されるので,ともすれば,「良い物を作るための破壊」ではなく「破壊のための破壊」になってしまっていることがある.
間違いなく自分ではマネなどできっこないレベルだがそれだけ.面白くない.
かなり自慰的なartistもいたように思います.すごいことは分かるが,理解できなくなったら一部の人だけの物になってしまう.
一方で3つめのLou Donaldsonのバンドはすごかった.昔のまま(60年代)の昔のヒットソングで,昔の通りやるんだけれど,観客の反応が最も良かった.観客が一番正直.the less is the more. the simple is the best.
jazzは小さなライブハウスで息づかいの分かるところで聞くのがベストなので,今回のような何千人も入るところではやっぱりダメだな,artistがあんなに遠いもん.そのせいで自分は面白くないんだ,と思っていたら,Lou Donaldsonは観客がみんな入り込んで,感情移入して.ホール全体が一体化.
Duke Ellingtonの言葉が思い出される.「世の中には2種類の音楽しかない.良い音楽と悪い音楽だけだ」

大衆に受けなくなればその芸術はそのまま廃れてしまう.

2.エンターテイメント(娯楽)と芸術

そんなことを考えながらコンサートを聴いていたら,死後まで価値の認められなかった画家ゴッホのことやら,理解されにくいピカソやダリのことを思い浮かべていた.
パリはもちろんのこと,東京の露店でも写実的なもしくは印象派ぽい油絵はそれなりに手軽に手に入る(勿論無名のartistだけれど).基本的な技術が有れば恐らく描ける類の絵.それは芸術と呼べるのか.そこに費やした制作時間(基本的な作業時間とキャンバス,絵の具代)以上の価値はあるのか.一方で現代美術館にあるようなコンテンポラリーアート(恐らくフリージャズや,現代の多くのjazz musicianはこれに相当する)は一見理解できない物も多く,お金を出す気も起きないか,ひょんな事でお偉い批評家に取り上げられて,とてつもない値が付くかのどちらか.
芸術家であること(originalityを追求すること)とエンターテイナーであること(大衆に広く受け入れられること)は両立するのか.
1つめのバンドは芸術的なレベル,技術レベルはとてつもなく高かったが,聴衆と分かり合えたか,聴衆に伝わったかは疑問.いわゆる自分の価値観の押しつけのような.(一方的なパターナリズムの医療の風景を見ているよう)

Lou Donaldsonは往年のテクニックにこそかげりは見えていたが最も聴衆とつながっていた.最も聴衆が喜んだ,満足した.

commodity化の話は以前も書いたので

  芸人と芸術家の違い(goods, service, experience)
これ以上は書かないが.

大衆性(大衆に受けること,幅広く行き渡ること)と希少価値(one and onlyであること)の両立は限りになく不可能に近いのではないかと考えている.
医療をやる上で,自分が家庭医としての技能を磨く上でこれが永遠のテーマのように思える.

家庭医療とのからみ
1.海外の大御所を呼べばそれで何とかなると思っている

確かに今回のチケットも最も大御所の名前の多い回を選んだのは自分なのだが(そのせいで子ども達に迷惑が),某大御所ピアニストはミストーンだらけ,某ギタリストとのコラボは明らかに打ち合わせ不足,しかも2人とも「こなし」「流し」の演奏.
忘れてしまっていた「年取ったかつての大御所の演奏は失望のことが多い」の原則を再認識することになった(勿論例外もあるのだが)
残念ながら,何千人というホールを埋めるには出来るだけ知名度の高い人を目玉に据える必要があるのだが,そういう人が最もコストパフォーマンスが悪い.限界効用逓減の法則ということもあり,有る程度の金額を超えると追加して投入する資源に対してのリターンはだんだん減ってくるが,出した金額に対しての見返りの期待は通常限界効用逓減が起きないので,期待と現実のギャップが大きくなる.図でかけるとよいのだが..

ともあれ,家庭医療に限らず,医学に限らず,海外の物・人が珍重されてしまうが,それはある意味人寄せパンダでしかなくて,ずっと効率よく近場から,質の高い講演や指導医を確保することは出来るはずなのに.
単発の講演やセミナーが気合いやエネルギーを注入する以上でも以下でもないことはもうみんな知っているはずなのに.

食べ物だけではなく,人という資源においても自給率(指導医国内自給率,指導医施設内自給率)といったことやフードマイレージに相当するヒューマンマイレージ(その講師,指導医を読んでくるのにかかるコスト)を考慮した,人的資源の地産地消(千葉県では千産千消といいます)を考えていかなければならないのではないか.

2.家庭医療とjazzの類似性

Clinical Jazzという教育法が家庭医療の世界にあります.臨床という医療行為とjazzとの相似性を良く表していますが,jazz playerとしては,jazzを知らない人がアドリブだコードだという表現を使うのを聞くことには何となく違和感があります.(非常に表面的に感じます)

私はjazzと家庭医療はもっと深いレベルで共通点を持っていると考えています.

jazz legendの一人チャーリーパーカーの言葉

Music is your own experience, your thoughts, your wisdom. If you don't live it, it won't come out of your horn. ~Charlie Parker
音楽はおまえ自身の経験であり,思考であり,知恵なのだ,音楽を生きるという行為なしに,それはおまえの楽器からは出てきやしない.

→人生経験が豊富でなければ,自分の人生と真っ正面に向き合わなければ,その人の医療行為も薄っぺらい物になる.

そして現代のlegend winton marsalisの言葉
jazzをうまくやるにはまず音を出すのではなく,周り・相手のいっていることを良く聴くことだ.それなしにjazzは始まらない.
→補足不要ですね.まず患者さんの話を良く聴きましょう

長くなりましたが,非常にコストパフォーマンスの悪かったコンサートで腹が立ったのでとっても批判的なエントリーになってしまいました.

それでも,大衆に受けなくなればその芸術はそのまま廃れてしまう.

さて振り返って,

家庭医療はきちんと大衆に受けること(患者満足度)とその芸術性(学問としての家庭医療と質の高い医療)の両立を目指しているか.


P.S. 成人はあらゆるところで学ぶのであった.

2009/08/21

    家庭医募集第1弾 2010年 亀田ファミリークリニック館山

第1弾の情報をupしました

来年はフェローとスタッフの充実が目標です。
もちろんレジデントの募集は継続的に行っていきます。

みなさまのお問い合わせをお待ちしております。

家庭医募集2010 亀田ファミリークリニック館山

2009/08/16

    フィードバック 「ほめる」ということ

フィードバックについてのWSはもう数えるのをやめるほどやりました。
現場での指導では基本中の基本です。
ずっと同じ事をやっていると自分の側に情熱がなくなってくる事と、また自分自身も世の中も少し変わったり医師の間で周知も進んでくるので、元々の内容ではそぐわない部分も出てきます。
ですから、最近、私自身がフィードバックのセッションをやるときは「ほめる」ということに重点をさらに置くようにしています。
時間が限られているときはこの資料だけで済ませる事もあります。

そのときに使う資料をアップしておきます。

カリスマ指導医の多くが医師としてのキャリアの最初の時期を過ごした某XX病院の卒業生達は未だに指導は厳しくなければならない、叱る事は必要という信念を強く持っている人たちが多いです。

叱る事は不要ではありません。しかし、実際に本当に必要な状況というのは多くの人が思っているほどありません。皆さん過剰使用と感じます。

抗菌薬は適切に適応を考えて使うのに、なぜなのでしょうか。

叱る事は相手や状況、使い方を間違えると大きな副作用を引きをこします。必要最小限に。

この辺りの事は以前に書かせて頂きました。

ただし、今年の医学教育学会での九州大学でのポスター発表では医学生に対する模擬患者からのフィードバックに関してはNegativeなものが最も役に立ったという結果が出ていました。

あくまで叱るとNegative feedbackは別のもの、という事を書き添えておきます。

フィードバックに関しては興味が尽きません。まだ読み込んで自分のWSに取り込まなければならない資料が山積みです。

「ほめる」ということ



ほめ言葉ハンドブック
本間 正人, 祐川 京子
PHP研究所 ( 2006-12-21 )
ISBN: 9784569659237
おすすめ度:アマゾンおすすめ度




短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント
石田 淳
ダイヤモンド社 ( 2007-09-29 )
ISBN: 9784478300756
おすすめ度:アマゾンおすすめ度

2009/08/13

    Twitter, Facebookそしてプロフェッショナリズム

漸く日本にもfacebookやtwitterの波が押し寄せて来つつあります.diffusion of innovation theoryから行くとearly adopter/early majorityのステージでしょうか.

twitterはmicrobloggingとよばれるぐらいですので,blogやHPと何が違うの?と思うかもしれませんが,
いわゆる「有名人」のひとたちや,これまで質の高いblogを書くので注目していた人たちをtwitterでフォローするようになり大変ショックだったことがあります.

公式のblogやHPで書かれている記事やそこで投影されるそのひとのイメージとtwitterから流れてくるメッセージとが全く違うのです.

仕事柄,仕事術についてのexpert,guruと呼ばれる人達,これまでblogや書籍などであこがれを持っていた人達のことが多いのですが,その人達がtwitterでは赤裸々に「午前様だった」「締め切り超過○日」「xxxのマウスがよい」「食事に○○を食べた」といった内容を投稿(写真まで)しています.

「あの人達のようになりたいが,自分には無理だろう」と思っていた人達が意外と自分と同じようにジレンマや悩みを抱えており,失敗もするということが分かった時点で,ある意味,やっぱり同じ人間なんだ,とホッとする部分もある一方で,それまでblogやHP,書籍から持っていたそのひとに対するイメージ(もちろん自分が勝手に作ったイメージなのですが,戦略的にそのようにイメージ作りもしているはずです)がガラガラと崩れてしまう.

清純派のアイドルだった人が覚醒剤でつかまった時のような.

そこへタイムリーなarticle

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Sachin H. Jain, M.D., M.B.A. BECOMING A PHYSICIAN:Practicing Medicine in the Age of Facebook. NEJM. Volume 361:649-651 August 13, 2009 Number 7

医学生として出産に立ち会った妊婦さんからFacebookで友達のリクエスト,一旦了解し,取り上げた赤ちゃんの成長を写真と共に定期的にみることが出来るようになるが,はたと「本当に良いのだろうか?」とたちどまる.


仕事場で経験した困難な患者について書いている看護師の例
あとから皮膚科のレジデントが独身であることをしってアプローチしてきた外来患者
パーティーでへべれけになっている写真を載せて信用を落としたアテンディング

等の例が挙げられる


米国の一部医学部では既に学生へその使用と載せる内容について注意を喚起...
「自分のキャリアに悪影響を与えかねない」と.
もちろん研修病院側は応募してきた候補者についての情報源としてtwitterやfacebookも有効活用することになる..

最初の患者さんはその後,「実は医学部へ行きたい」という相談を持ちかけてきて,著者は安堵と共にアドバイスを少しし始める.「SNSに載せる内容には注意して」と沿えて.


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現在流行の始まりやマーケティングのチャンネルとしてtwitterやfacebookなどのSNSが重要視されていますが,そこでどのような口コミが拡がっているのかに関して,効果的に検索をする方法がまだ試行錯誤レベルで,大手ネット検索事業者はその一番乗りを目指しています.

Googleの次世代検索エンジンはそれに対応する事を目標として開発されているはずです.
関連記事
http://journal.mycom.co.jp/news/2009/08/12/017/?rt=na
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0908/11/news036.html

ネットでの暴露の多い人でtwitterやfacebookをやっていると分かっている人の検索を現在のgoogleと新しいものとで比べてみると,違いが分かります.次世代エンジンだとそのひとのtwitterやfacebookが引っかかってきます.

これまで,検索に引っかからないことから「そっと」つぶやく事が出来るために「本当の顔」を覗かせてきたハズが,それも全て検索に引っかかるようになってきています.そうするとこれまで書籍やHPで一生懸命に作ってきたイメージ戦略にも悪影響が出ます.

僻地での医療は医師の公私がなくなってしまう.買い物をしていても,泳いでいても,誰かしらに見られている,そしてそれは殆どが自分の患者さん.ということでglass wall(自分の生活が全部筒抜けになってしまうことから透明な硝子の壁で出来た家で生活をするような感じを例えて)と言われてきました.

そして,そのことを敬遠するために,僻地で医療を行うことをためらう人も多いのです.

しかし,ネットで自らのプライベートを公開するとそれは誰からもアクセス可能になり,例え都会に住んでいても,ネット上では「glass wall」の中での生活をしているような物です.

さっき診察した患者さんは言わないだけであなたのtwitterやfacebookでの投稿を知っているかもしれないのです.

本当は人間らしくおこったり,泣いたり,失敗もしたりするのだけれど,自分のアイドルとしていて欲しいから,そういう部分は見せて欲しくないと自分が歌手やアーティスト,スポーツ選手に求めるように,患者さんは同じ事を医師に求めているかもしれません.

「輝き続けている(様に見せること)」これも医師の重要な役割なのです.特に指導医は.

一方で,そういった隣人的な日常性がみえることで,かえって親近感を持ってもらえることもあります.
特に患者さんと同じ地域に住んで,相手の生活を知らないと仕事にならない家庭医としては,その為に自分のプライベートも少し開示しないとうまくいかない.

どこまで,どれだけ,どこで見せるか.これはとっても難しい問題ですが,意識しながらネット上でも,リアルライフでも活動をするしかないのでしょう.

2009/07/28

    初期研修医は地域医療研修に何を求め,何を学んでいくか?(医学教育学会2009ポスター)

週末の医学教育学会よりうちのスタッフ(HANDS-FDF修了生でもある)との共同発表。
いちおう一部数を数えましたのでmixed methodとしましたが、基本的には質的研究です。
彼のお父さんは文化人類学者ということもあり、非常に的確な質的分析をします。

同じ状況で仕事をしている人にとってはごく当たり前の結果かもしれません。しかし多くの人がそう思えば思うほどその事象の本質をとらえている(つまり外的妥当性が高い.研究とのしての質が高い、ということ)

もう一つの方は、多少内部事情に関係する部分もありますので、関係者に配慮して、公開は控えさせていただきます。参加いただいた方だけの特権ということで。

第41回医学教育学会2009 発表 篠原

2009/07/27

    ロード第1弾 医学教育学会

職場のスタッフに迷惑をかけて4泊の学会出張+講演。1回東京に出るのに往復4時間かかりますから3つの用事を同じ日程でぶつけると8時間節約になります。(厳密にはそうでもないのですが)
それにしても都会は暑かった。メインは医学教育学会です。

木曜日の朝 医学教育学会- モデルコアカリキュラム共用試験委員会 委員として出席 (そのために水曜夜東京泊)
夕方 プレコングレスワークショップ III 「臨床研修指導医講習会のあり方」にOMP: One Minute Preceptorの資料を提供させていただいた関係で見学させていただく。

金、土は
第41回日本医学教育学会大会
自分の発表
岡田 唯男, 西野 洋, 片多 史明 口演 新臨床研修制度の影響とその対応 
O12-1 亀田メディカルセンターにおいて初期研修必修化前後の大幅な方針転換は有効であったか? Was the major strategic change in recruiting of junior residents effective at Kameda Medical Center after initiation of the national mandatory postgraduate training?

うちのスタッフ2名の発表
篠原 翼, 岡田唯男 ポスター 地域医療 P10-3 初期研修医は地域医療研修に何を求め、何を学んでいくか? ー地域の診療所が提供できる研修ー
伊藤彰洋 口演 ITの活用 O6-9 e-ラーニングによる仮想模擬患者を利用した臨床推論教育の試み

そして急遽当日の2日ほど前に頼まれた座長

土曜日の夜そのまま大阪で講演
服薬指導研究会 第4回研修会「家庭医の視点」
/サエラ薬局グループ 学術勉強会 主催 株式会社 オーパス

日曜日は総合医スキルアップセミナーのケースカンファレンス 20代女性 2週間の咳、微熱、胸痛

医学教育学会の報告書けるかな〜
また2週後、4週後、5週後にロードが。。

2009/07/25

    5マイクロスキル(OMP: One Minute Preceptor)one pager

現在医学教育学会に参加中です
いろいろなことを学んでいます。

プレカンファレンスワークショップに誘っていただき、少しだけお手伝いをさせていただきました。
具体的には5マイクロスキル(OMP:One Minute Preceptor)の一目で分かる資料を作成して配布資料の中に入れていただきました。新たに出たエビデンスのレビューなどを追加しています。

5マイクロスキル(OMP)one pager

どうぞご自由にWSや院内勉強会でお使いください。

懇親会で頂いた質問

Q:マイクロスキルは岡田がオリジナルですか?
A:オリジナルは
Neher et al. A five-step "microskills" model of clinical teaching. J Am Board Fam Pract (1992) vol. 5 (4) pp. 419-24
です。
ただ日本へ紹介したのは私、ということになっているようです。(エビデンスがないことの証明や最初であることの証明は難しいのが常ですが)
初演は2002年。

岡田唯男,藤沼康樹.「機会を逃さないための外来指導 」,ワークショップ.第17回家庭医療学研究会学術集会・総会 ,東京,2002年11月


文献としては2004年。(下記)

Q:6つのマイクロスキル、という方法もあるようですが。。
A:6つ目が今後の学習テーマを見いだすというのだと思います。別に加えてよいと思います。
ただある程度エビデンスが検証されているのは5つのものです。(上記One Pager参照)


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これが唯一の方法でもありませんし、その他には

The Aunt Minnie model
The SNAPPS model
Activated demonstrations
などがあり、
最近は
The GRIPE Model
というのも言われています。

気に入ったものがあればどれでもよいと思いますし、自分のスタイルがあればそれでもよいと思います。いつも話しているのは、様々な患者さんがいて、同じ診療スタイルや説明方法では全ての人に対応できないのと同様、学習者も千差万別。その方法に乗り換えましょう、ということではなく、自分のn番目の新たなる教育レパートリー/スタイルとして追加してください。ということ。
今までやっていたことがうまくいっていればそれをやめる必要はありません。ただし、本当に「うまくいっている」か確証がありますか?

プロセスはわかりやすくしたり、多くの人に知ってもらうために重要ですが大事なのは学習者が学び、患者さんのケアが向上すること。
本質を見失わないよう。

効果的に外来で教育を行う—5つのマイクロスキル - 特集 地域で医師を育てる—地域保健・医療研修で何をするか 診療所研修を魅力的にするために.JIM.2004; 14(5): 399-403

岡田 唯男. 1分間プリセプティング one minute preceptor. In:日本プライマリ・ケア学会 編.プライマリ・ケア用語集.東京:エルゼビア・ジャパン株式会社;2005:22.
プライマリ・ケア用語集
日本プライマリケア学会
エルゼビア・ジャパン ( 2005-05 )
ISBN: 9784860345396