表題の通り.米国の家庭医療学専門医.多くが通る試験ほど,落ちたらどうしようというプレッシャーは大きい.しかも現在の立場的には落ちたら恥ずかしすぎる.落ちたらそ~っといなくなって,試験浪人しようと思っていました.現在専門医更新制度は過渡期にあり仕組みや要求事項が変わってきており,従来は7年毎の更新で仕組みの変更が2000年頃から進んでいますので,私は,古い方の制度で更新をする最後の組です.これから更新する人には一部しか参考になりませんが...
現在進行形の家庭医療レジデンシーの生々しい体験記はあっても(いったことある人間だとかなり面白いです.全部体験済みですが,自分の記憶を追体験するようで),中々認定医,再認定の体験記もないと思うので,参考まで.(結果報告の部分だけ)
全部で360問 (260問を2回に分けて+選択分野各45問x2分野で一日がかり.ハワイへ受けに行きましたが,ホントにそれだけでした.選択分野はAmbulatory Family Medicine:外来,Child and Adolescent Care:小児,思春期,Geriatrics:老年医学,Women's health:女性医学,Maternity Care:マタニティケア,Emergent/Urgent care:救急,Hospital medicine:病棟,Sports Medicine:スポーツ医学の8領域から2つです.)
認定学会のHPには各認定医が個別のIDとパスワードで認定,再認定,生涯学習についてフォローできる用になっており,まずは電子メールで「試験の結果が見られます」とだけ送ってくる.(結果は書いていない)
自分のHPに行くと以下のようなページ.
結果のページ
合格でした.隠してありますが,全体での自分の位置づけも分かります.
そのページの下の方にPDFのリンクが3つあります.
プレスリリース
地域の新聞に出したり,待合室やニュースレターに乗せるように学会が一般向けに説明をした記事.
あなたの町の家庭医が,まじめで優秀でないと通らない試験に通ったんですよ.アメリカの家庭医療学会はこのように家庭医の質の保証に取り組んでいます.
という内容.一般の人には専門医試験やその維持がどのようなものか分からないことなどから,学会としては重要なシグナリングの一つ.degree of fellowを頂いたときも,同じようにプレスリリースの手紙を発行してくれました.
日本家庭医療学会もささやかながら始めました.
学会が認定する家庭医療専門医について
まだですが,鋭意準備中です.というもの.HPの隅っこでわかりにくいのですが.
是非専門医制度が出来たときには.同じようにやって下されば助かります.
医師の学会はプロ集団として,世の中に何らかの意見を出していく必要があります.
国民の皆さんへ:日本医学教育学会主催、第34回「医学教育者のためのワークショップ」に参加した医学部・医科大学教員や研修病院医師からのメッセージ
医学教育に協力して欲しいというメッセージ
日本小児科学会 提言,主張
ずらずら~っと,たくさんの要望,主張が並んでいます.このぐらいのロビー活動をやるべきだと思います.
閑話休題.
2つめのPDFは合格通知.
いわゆる正式な合格通知の手紙です.従来は封書で送っていたと思われます.費用削減と環境への配慮.
最後はパフォーマンスレポート.
2頁目に,どの分野が平均より出来ているとか出来てないとかが分かり,今後の生涯学習のガイドとすることが出来ます..
これは私のよく知る友人に匿名の約束をして,何とか許可を貰って公開させて頂きました.中々見ることの出来ない貴重なものです.
それぞれの分野の出題比率は
blueprint
に説明されています.
I. Cardiovascular 12%
II. Endocrine 8%
III. Gastrointestinal 7%
IV. Hematologic/Immune 3%
V. Integumentary 6%
VI. Musculoskeletal 12%
VII. Nephrologic 3%
VIII. Neurologic 3%
IX. Nonspecific 9%
X. Psychogenic 7%
XI. Reproductive―Female 4%
XII. Reproductive―Male 1%
XIII. Respiratory 13%
XIV. Special Sensory 2%
XV. Population-based Care 5%
This includes topics such as biostatistics and epidemiology, evidence-based
medicine, prevention, health policy and legal issues, bioterror, quality
improvement, and geographic/urban/rural issues.
XVI. Patient-based Systems 5%
This includes topics such as clinical decision-making, communication and
doctor-patient interaction, family and cultural issues, ethics, palliative care,
and end-of-life care.
これからの再認定の仕組みはMC-FPといわれる,普段からの勉強,質改善活動の証明が要求され,(用は7年に1回の試験のための一夜漬けの瞬間最大風速だけではダメ,ということ)そのうちのある程度の割合を7年サイクルの最初の3年で済ませると認定期間が3年追加の10年更新に出来るという,incentiveつき.でもこの公式生涯学習プログラム,費用がかかるんです.結構.
その内容もまだ色々議論の余地はあるようですが....
まあとにかく安心して今の仕事が続けられます.
これで今年の目標4つのうち
日本プライマリ・ケア学会認定医更新 (無事終了)
米国家庭医療学専門医認定更新試験(無事合格)
が達成.
あと2つ(一つは医師として,一つはprivate)は残り3ヶ月半の間に出来るか?
2 コメント:
Congratulations!
It's great news!!!
I did not hear about the result, so I really wondered..
Now I plan to take MRCP-UK exam which I took and failed in the past due to my English ability.
Taking exam is very good method to reflect my knowledge which should be up-dated for daily clinical work for patients and community ;)
Anyway, let's celebrate with champagne! :D
おめでとうございます!!!
アメリカの専門医制度は、さらに、先に行こうとしているのですね。
日本も専門医制度を作らないことには、始まらないですね!!!
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