2009/09/23

    男もすなる「つわり」といふものを..

「女も」の間違いではない。
男もつわりをするのである。だいぶ前に読んだ本で既に知っていたが(出典を失念。その時は南洋のとある民族の話として知った)、改めて確認。

立派にwikipediaにもまとめられています。(出典に柳田国男監修・(財)民俗学研究所編『民俗学辞典』なども使われています)

男のつわり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


より

男のつわり(おとこ-)とは、妻が妊娠すると夫の身体の調子が悪くなることをいう。福島県では「トモクセ」、岩手県沿岸地方では「男のクセヤミ」といい、ひどい人は妊婦と同じく汗をかいて衰弱し、嘔吐をもよおしたりもするが妻の出産が終わると治る。「病んで助けられるのはクセヤミばかり」という民俗語彙もある。岩手県岩手郡では「クセヤマイ」、長野県下伊那郡地方では「アクソノトモヤミ(悪疽の共病み)」、奈良県高市郡地方では「アイボノツワリ」と呼ぶところがある。未開社会では、妻が妊娠すると男が産褥(出産用の寝床)につく真似をする風習をともなう地域があり、couvade(擬産)と呼称される。
医学的には、男性が妊婦のマタニティ・ブルーと同じような症状、すなわち嗜好の変化、吐き気、めまい、頭痛、食欲不振、体重の変化、感情の変化、睡眠時間の変化などを総称してクーヴァード症候群(couvade syndrome)と呼ぶことがある。



Couvade syndromeもきちんとまとめられています。

男性のつわりはpsychosomaticに説明するしかないのですが、元々読んだ他の民族の例では、男性のつわりが強いほど女性のつわりは軽くて済む、また、男性のつわりが強いほど女性への愛情やケアの強さを示している、という風に理解されるようです。
その事を知っていて潜在意識で何かが働いていたせいかもしれませんが、自分自身の子供のときに男として軽いつわりを経験しています。

わかばまーくくらぶ 1000人以上のつわり体験談では、
夫、家族のつわり??体験談というページがあり、

すこし眉唾的なもの?もふくめて、結構面白い体験談が数多く寄せられています。

例)KLMさん  05/10/05
4回の妊娠のうち、2回目・3回目・4回目の妊娠は、主人が先に気がつきました。主人は私が初めて妊娠をしたときに、日常であまり体験することのない船酔いのような、おかしな感覚を味わったと言っていました。
そして2年後、またその感覚に襲われたので、私に「お前、妊娠したんじゃないか?」と冗談交じりで言いました。しかし、実際検査して見ると、なんと陽性!妊娠6週目になっていました。そして3回目、4回目の妊娠もそのようにして主人に教えられました。


babycom お産の民族学では
つわりが激しい夫を持つ妊婦はつわりを経験しないという話もある。これは、現代でもみられる現象で、気の弱い男性に多いといわれている。


という表現があり、自分は気が弱いのだ.と再確認。

“つわる”という言葉は、初潮の頃のこと、すなわち成熟する寸前の状態のことを意味する。また、木の芽が出て花のつぼみがふくらむことを“つわぶく”というところもあり、いずれも完熟一歩手前の状態を意味するところから“つわり”の語源はきているといわれている。



猿でもオスざるの体重が増えるという現象がある
【ファンキー通信】男だって、妊娠中はつわりになっちゃう!
2006年02月23日00時07分


生物医学的には説明できないと思いますが(もしかしたらそのうちできるようになるかもしれません)、mind-body connectionを前提に医療を行うのがgeneralism。医療文化人類学的には簡単に説明できてしまう事ですし、その立場からは更年期の症状も日本ではかなり他の文化と違った症状を示す事が知られています。(生物学的な理由だけで生じるのなら、それほど大きな人種差はみられないはずです。この話はまた日を改めて。)

言い古された事ですがが、言葉はあるものにその社会や文化についての意味付けを持たせるための「記号」であり、病名や症状もその例から漏れることはないのです。(その事を忘れてしまっているために、医療現場で多くの齟齬が生じています)

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