2009/03/12

    大組織で成功できる要素(大組織適応性)

かなり前に読んだ、

梅田望夫 「ウェブ時代をいく」 (後述)

より

著者の経営コンサルタントとして多くの起業人を見て来た経験から。

この本は個人としてネット時代をどのように生きるか、また、そういう人が増えるだろうという趣旨の本だが、その対比として、これまでの日本で求められて来た大組織に適応して生きる生き方の特徴があげられている。

大組織で成功できる要素(大組織適応性)

1)「配属」「転勤」「配置転換」のような「自分の生活や時間の使い方を他社によって規定されること」を、「未知との遭遇」として心から楽しめる
2)与えられた問題・課題を解決することに情熱を傾けることができる。その課題が難しければ難しいほど面白いと思える
3)Whatへの「好き嫌い」やこだわりがあまり細かくなくおおらかで、一緒に働く人への「好き嫌い」があまりない。仮にあっても、苦手(つまり「嫌い」)を克服することを好む。
4)「これが今から始まる新しいゲームだ」とルールを与えられたとき、そのルールの意味をすぐに習得してその世界で勝つことに邁進することに興味を覚える。
5)多くの人と力を合わせることで、個人一人ではできない大きなことができることに充実感を覚えるチームプレイヤーである
6)「巨大」なものが粛々と動くことへの関与・貢献に達成感と充実感を感じ、長時間長期のの「組織へのコミットメント」をいとわず、それを支える持久的体力にすぐれる。
7)組織への忠誠心や仕事における使命感の方が、個の志向性よりも価値が高いと考える。


続けて、

これからは、大組織は大組織ならではの強み、つまり「巨大」であることそれ自身が「強み」になる事業や行動を選択し、そこに集中する傾向が強くなっていくはずである。


と。

自分は大組織(当時は医局)には収まることのない人間だと思っていた。父親も医師ではないが個人経営だった。絶対に嫌だったし無理だと思ったので、聴診器と体一つで生きていけるように、武者修行の道を選んだ。

それが、どういったことか、大組織の中で仕事をしている。しかも充実している。上記の要素で当てはまる部分もあるがそうでない部分も多い。

一つは現在の自分が所属する組織が、ある意味にほんの「大組織らしくない」大組織であり、大変に多様性を許容する組織なのだろう。自分は大組織適応性がすごくある訳ではないが、そういう人間に大組織への適応を強要するのではなく、ある意味そういう人間をできるような寛容性を持って組織の側が適応をしているのだろう。

自分は今どのように戦っているか。大組織としての戦い方をしているか、一個人としての戦い方をしているか。それぞれにはそれぞれのとるべき戦略があり、それらは同じではない。(「ランチェスター」という単語で検索されたし。大量の書籍があります。とくに竹田陽一氏)

考えてみると、自分は両方の利点をうまく組み合わせているように思える。

しかし自分が大組織の中で生きていくようになるとは本当に思っても見なかった....

最近とある産婦人科医がふっといった言葉(意訳)
「内科、小児科医は個人商店だ。システム、仕組みのことには思いが及ばない。外科系、新生児科医はチームプレイヤーだ。仕組みで成り立たせることを考える。」

結構同意できる部分があります。完全にそのようにステレオタイプには分けられないのですが。
その割に産婦人科は周産期の仕組みを作ってこなかったみたいで。。。あ、作ってこなかったのは国でしょうか。


ウェブ時代をゆく
梅田 望夫
筑摩書房 ( 2007-11-06 )
ISBN: 9784480063878
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