2009/03/06

    今後の活動

最近の活動,今後の活動予定をまとめました.

講演,講師

学術活動

ハイライト

1.

2009年プライマリ・ケア関連学会連合学術会議
ジェネラリストのための総合的な学習の時間
~前立腺がんのPSAスクリーニングを題材に~ (委託ワークショップ)

5月31日(日)13:10~16:10
伊藤彰洋 小宮山学 池尻好聰 栗原大輔 寺内勇 平洋  家研也  竹内治氏と 
国立京都国際会館
http://www.primary-care.or.jp/primary2009/details/ws25_detail.htm
http://www.primary-care.or.jp/primary2009/primary2009_gaiyou_top.htm


ずっと温めてきた企画です.2-3年前から.何とかいい形に出来ないかと多くの人の力を借りる予定です.


2.
病歴と身体所見でここまでわかる! 総合医スキルアップセミナー
ケースカンファレンス担当
4/19(日)
7/26(日)
C&R グループビル2階大会議室 〒102-0083 東京都千代田区麹町二丁目10番9号
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/special/career/jamep/


そうそうたる講師陣の末席に入れて頂きました.今からプレッシャーひしひし.「自分らしく」やるしかありません.

2009/02/20

    22 (Twenty-two)

22 (Twenty-two)というと何を思い浮かべるでしょうか.英語ではCatch Twenty-twoという表現があります.とりうるどの選択肢もあまり好ましくない,やりたくないという状況を指します.

由来はこちら.小説のタイトルです

そちらの22ではなく,22の時に最も死亡率が低いとされるBMIです.

何だかんだといいながら,ついにBMI=22を達成しました.瞬間最大風速で,また戻るかもしれませんが...

年明けてから始めた5年日記.何とか続いています.時々まとめて2-3日書きますが.そこで少しはき出すので,blogへのモチベーションが少し下がっているのかもしれません.ネタはいっぱいあるんですけど.

日本のacademic institutionでは今が最も重要な時期.大切な決断や待ったなしの決断が多く,ゆとりはありません.元気ですが..

2009/02/05

    会議本

今週末 今年度HANDSの最終回のAwayセッションがありますので準備に追われています。
毎年繰り返しのセッションがあるので、その度に昨年の資料を見返して、新たな情報を加えてupdateするのですが、いかに以前の資料は情報源の引用に関してまじめに考えていなかったかがよくわかります。記述の出典がわからずじまいのものは、結局使えないのです。

それから、来年以降どんどん作業量を減らしていくために、そのインフラを作りながらupdateをしています。その分時間はかかりますが、どこかでこの作業に時間を裂いておかないと、いつまでも毎年同じ負担がかかります(本来は第1回目にしておくのが理想)

関連して会議の進め方のセッションの参考にした資料のほんのリストを整備

こちら

会議は最もFD的な能力が総合的に試される場所です。

2009/01/27

    「持続可能な医療サービスと制度基盤に関する研究会」第2回会合議事要旨

「持続可能な医療サービスと制度基盤に関する研究会」
第2回会合議事要旨
(平成20年12月12日(金) 16:00~18:00)

表題の件の議事録
この中にIHNという言葉、また専門医にはジェネラリストを含むという主張が含まれています。

研究会メンバーはこちら

最近IHN(integrated healthcare network)という言葉があちこちで聞かれるようになってきました。北米では少し前からある言葉なのですが。

日本病院会雑誌 病院学 2006.4月号 pp. 22(490)ー42(510)
(この記事の中に、「人工過疎地」=「医療過疎地」ではない。医療ニーズの規模は単に人口規模によって決まる。医療過疎地の発生は医療提供側の努力不足。というスライド。またIHN創造は地方医療圏ほど優位。というスライドがあります)


日本版IHNの実現へ 経済学博士が講演
東総地域医療連携協 旭市
2006年09月02日12時10分


総合病院国保旭中央病院の経営形態等に関する検討委員会議次第

総合病院国保旭中央病院の経営形態等に関する報告書

私も最近その事で執筆させて頂いています。まだ著作権の問題でweb公開は出来ませんが。

このIHNという仕組みにおいて、質の高いプライマリケアを提供する人とインフラの確保は避けて通れません。
日本中の医療機関がジェネラリストを求めて探し回る頃には優秀なジェネラリストはそれぞれの活躍の場に落ち着いてしまっています。今から育てるか、コネを作るか。

2009/01/25

    初期研修医のexit interview

私たちのクリニックには,K総合病院の初期研修医が必修の地域医療枠として全員が,2週間研修に来ます.私たちの広い診療領域という特性を利用して,それぞれが,その将来像に合わせて,学習課題を見つけることが出来,こちらも驚くほどの発見や学びをして帰られます.

いつも2週間の最終日に学んだことを発表をしていただき,それと別に簡単な面談を私と持ちます.(exit interviewと呼びます)

年末年始,という不規則な時期のためあいにく4日間という変則的スケジュールでしたが,来てくださったT医師と年の瀬に,exit interviewを行いました.

そこで出た発言,

当院に来る前の12月の3週間はUC Davis (カリフォルニア大学Davis校)にリウマチ科を中心に見学に行っていたが,2-3日家庭医の外来をみせてもらった,その時にあまりに日本の自分がみた外来と違うことに驚いて,帰国後家庭医療を売りにして頑張っているクリニックではアメリカの家庭医療に対してどのぐらい遅れているか差があるか,比べてやろうと思っていた.

しかし,ここで行われている医療をみてみたら,全く同じ事が行われていた!!まったく遜色ないです.すごいです!


とのことでした.まあ多少ヨイショもあるのでしょうが.米国の家庭医療とここの診療をみて同じようなコメントをされる人はこのT先生が初めてではありません.

お昼の発表では言わなかったそうなので,「それをみんなの前で言ってあげて欲しいのに!」と言ってしまいましたが,嬉しい限りです.



にも書きましたが,

家庭医となるための研修において,施設を注意深く選ぶ必要はあるが,もはや優劣ではなく,特徴の差異のみである.


という状況でしょう.勿論改善すべき点はまだまだありますので,引き続き頑張っていきます.

2009/01/24

    シリーズこころ これ、統合失調症?

医療ルネサンス という私がずっとお世話になっている読売新聞の連載 去年の11月のから

本当は別の状態だったのに,問診が不十分なために統合失調症と診断され薬漬けになったケースを取材しています.

勿論適切に診断され,治療されるケースの方が大半だと思いますが,その患者さんの背景や状況を踏まえる,良く話を聞く,といったことでこれらの事例は防ぐことが出来たのではないか,と考えさせられる報告です.(勿論あとから見ればなんとでも言えますが)


そこからの引用

味酒(みさけ)心療内科(松山市)医師の笠陽一郎さんに聞きました。

 米国で1994年に作られた診断基準(DSM―4)などが、国内でも使われています。症状を重視する診断法ですが、患者さんの話に耳を傾けず、いくつかの症状を診断基準に当てはめるだけで病名を付けるようになってしまった」


私も若い頃はDSM当てはめで診断をしていましたが,最近上記のコメントの意味がよく分かるようになってきました.今は,診断に飛びつくことなく,安易に投薬に飛びつくことなく,診療が出来ているような気がします.しかし若い頃は,症例の経験や,聞く技術といった部分が不十分で,ダメといわれても,わかりやすいチェックリストのような物にそってやる以外に選択枝がないのです.そこをカバーするのが指導医の存在でしょう.

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/renai/

下から古い順です.

シリーズこころ これ、統合失調症?
シリーズこころ 読者の反響
「統合失調症」相次ぐ誤診 (2008年12月26日)

[Q&A]誤診 多くは初歩的ミス (2008年11月11日)
ネット相談で誤診気づく (2008年11月7日)
誤った投薬で記憶障害 (2008年11月6日)
薬の副作用 「病」と診断 (2008年11月5日)
耳傾けた心理士 誤診修正 (2008年11月4日)
幻覚、妄想 子供には普通 (2008年11月3日)
不登校の中1に大量投薬 (2008年10月31日)
「根拠」あった 盗聴妄想 (2008年10月30日)
医師の問診不十分で誤診 (2008年10月29日)

2009/01/23

    Difficult Teaching Encounter

一般にdifficult patientと呼ばれることが多いですが、当事者である時点で自分自身も問題の一部ですから、患者さんが問題とは限りません。組み合わせが単に悪い場合などもありますから、difficult patient encounterというのがPC(politically correct)。

同様に、「あの研修医は扱いにくい」と感じたときに、問題は研修医ではないのかもしれません。そういう意味で、difficult learnerとは呼ばず、Difficult Teaching Encounter(DTE)と呼ぶことを提案しています。



当時から実施していたDTEについてのWSをもとに、

上記の本にDTEのテーマで、章を書かせていただきましたが、その後HANDSのセッションで当時のfellowのN氏に以下の論文

Dean A. Seehusen et al. Teaching the Outstanding Medical Learner. Fam Med 2006;38(10):731-5.
http://www.stfm.org/fmhub/fm2006/November/Dean731.pdf

を指摘され、その後は、それをふまえて、アルゴリズムを書き直し、WSを実施しています。

そのWSの資料を公開。

Difficult Teaching Encounter (この資料のアルゴリズムが最も最新です)
Difficult Teaching Encounter

2009/01/22

    The World Health Report 2008 Primary Health Care – Now More Than Ever

Think Globally, Act locally.

使い古された言葉だが、WONCAでお仕事をさせていただくようになって,ほんの少しだけ、"think globally"の方の視点が自然に身に付いてきたような気がしています。

PHC:Primary Health Careの重要性を訴えたアルマアタ宣言から30年の昨年、WHOから毎年出されるWHO World Health Reportのテーマは、

Primary Health Care – Now More Than Ever

PHCへの回帰です。

当時は重要だ、という信念が先行したところはありましたが、この10年ぐらいでエビデンスはたまりにたまっています。

Press Releaseから、summary、重要な表の抜粋、果ては、ビデオ、audio、poscastまで全部用意されています。

The World Health Report 2008 Primary Health Care – Now More Than Ever


詳細はなんとかうちのレジデントたちには話せれば、と思っていますが、ここでは、その中から引用を一つだけ。(訳 岡田)


Five common shortcomings of health-care delivery
ヘルスケア提供の際にありがちは5つの欠陥

Inverse care. (ケアの逆転):最も資源を持つ(しばしば医療の必要性がより少ない人)がケアの大半を消費する。最も資源や手段の少ない人、抱える健康問題の大きい人が最もケアを利用しない/できない。

Impoverishing care. (貧困にさせるケア):最も社会的に守られていない/ヘルスケアに対する保険のない人ほど、現金支払い/自腹を求められる。必要なケアにかかるために、破産的な金額の費用が必要。年間で1億の人が、ヘルスケアに対する支払いのために、貧困になる。

Fragmented and fragmenting care. (断片化したケア、断片化させるケア):医療従事者の過度の専門分化と、疾患対策のプログラムの焦点の狭さは、個人や家族に対する、包括的なアプローチをないがしろにし、継続的なケアの重要性を認識しない。貧しい人々や、少数派のためのケアはしばしば高度に断片化しており、かつ資源が少ない。一方でそこに手を加えて発展させることは往々にして、更なる断片化を促進する。

Unsafe care. (安全でないケア):説明はしません

Misdirected care. (間違った方向性のケア):医療資源(人、金、もの、時間、熱意)の分配はしばしば、コストのかかる高度な治療へ集中し、一次予防や健康促進が最大70%にも及ぶ疾患のインパクトを軽減する、という事実を無視してしまっている。


150ページほどの報告書にざっと目を通しましたが、この最近のWHOおよび、WHO/WPRO(西太平洋地区)の仕事(報告書)の流れをきちんとふまえた延長線上にあります。

参考

昨秋のWONCAとWHOのjoint repot

New joint WHO/Wonca report 'Integrating mental health into primary care - a global perspective'

2007年11月 WHO/WPROによる、

People at the Centre of Care Initiative

Relevant publications and documentshttp

こういったことが日々の診療に関係なさそうで、すごくあるんです。。。