2008/09/02

    メタボより、知っておきたい 予防接種

表題のタイトルで一般の方向けに公開医学講座が行われます


公開医学講座
【開演/終演】14:00/16:00 【入場料】無料
【主催者】(社)安房医師会 0470-22-0228


前半は一時間 神戸大学に移られた岩田健太郎先生の講演

後半は自治体の保健師さんや地区医師会の先生を交えて公開討論。(司会進行をつとめさせて頂きます)

肺炎球菌ワクチンを中心として、任意接種の予防接種についても重要性を認識してもらえれば、というのがねらい。

岩田節の聞きたい方、予防接種は本当に必要か疑問な方、残暑の暑さを逃れたい方、どなたもどうぞ。

肺炎球菌ワクチンについて

【MEDICALホットニュース】肺炎球菌ワクチンを知っていますか?
この記事作成時の2007年4月では公費助成を行っている市町村は21だったのが、
現在は72市町村に。


肺炎球菌ワクチン接種に公費補助を!

墨田区でも9月から始まりました 補助額4000円!

肺炎球菌ワクチン ニューモバックス

米国の65歳以上の高齢者における肺炎球菌ワクチンの接種率は64%と推計されています。一方、本邦では1987年に認可され市販後約20年が経過するも、いまだに接種率は4%未満です。この接種率の大きな差は保険適応のない任意接種で、費用は全額自己負担であることが大きく影響していると考えられます。2007年11月時点で本ワクチンの意義に理解のある全国64市区町村の自治体においてのみ公費助成がなされているのが現状です。今後、医療従事者のみならず国および各自治体にも本ワクチンの重要性を理解していただき、肺炎球菌感染症から一人でも多くの人を守るために、予防医学的・医療経済的視点からもインフルエンザワクチンと合わせて、特に高齢者への公費助成の推進が切望されます。



医療ルネサンス
健康へのデザイン 瀬棚町の挑戦
肺炎ワクチン初の公費補助

2008/09/01

    北海道新聞2008年8月18日<時代の肖像>

今年のHANDSは第1回を念願の北海道家庭医療学センター(HCFM)の重要拠点である更別村国民健康保険診療所で,行い,HCFMのレジデントの皆さんとも交流をすることが出来た.
以前から親しい山田所長の愛する仕事場とそれを支える更別村の村長はじめ職員の皆さんの愛情(本当に,村を上げて家庭医を育てる.というのがたて前でなく伝わってきました)
診療所は,小回りのきく行政単位だからこその 行政,福祉,医療を一箇所にまとめた建物で,非常に効率よくできている.「ああ,家庭医ならこんな所で仕事すると幸せだろうな」という感じの場所.

その時の活動が,縁あって,HANDSの活動を読売新聞の教育ルネサンスに続き取り上げていただいた.ありがたいことである.

北海道新聞のこの<時代の肖像>シリーズはネットでは公開していないシリーズなのだが,更別村国民健康保険診療所の山田所長が公開許可を取って,彼らのブログにのせて下さった.

どんぐり村の診療所
指導医の養成 ~北海道新聞 2008年8月18日(月曜日)朝刊より~


新聞記事そのものは,クリックで更に拡大すると読めます.

去年は関西家庭医療インタレストグループFPIGとコラボ開催が出来,それに続いて今回HCFMと,意識的にコラボレーションを進めてきた.

今年のHANDSの参加者は狭義の家庭医療,プライマリケアを超えて広義のgeneralistを採用した.
今年のキーワードの一つがcross border collaboration.
最近の ○○○ x △△△ というやつ.

去年のHANDSのキーワードにchange agent(catalyst) というのを挙げた.
「触媒」何かと何かを混ぜ合わせて,化学反応を起こし,またそれを促進するために必要なモノ.
人と人が出会うところで何だか素晴らしい何かが起きる,その切っ掛け作りになれたらと思っている.

今月はHCFMから選択研修でうちに1人レジデントがやってくる.どんな化学反応が起きるのか,楽しみである.

それにしても帰りに小嶋先生と食べた更別の豚丼は美味しかった.
レストハウスかしわ~更別村~
豚丼といえば十勝・帯広 十勝への招待状 - 豚丼(ぶたどん)コーナー
帯広,十勝 豚丼の店


追加)
まるかん人プラト一ク
で北海道新聞全文が読めます。(ありがとうございました)(2008/10/21)
http://marukanpurato-ku.blogzine.jp/marukan/2008/10/post_d6f5.html#more

2008/08/18

    楢戸健次郎先生のこと・家庭医は腰を据えてじっくりと.

「ただ日本のようにこれがいいとかあれがいいといってすぐに出来るわけではないので,うちの団体では,はじめの3年間は,極端なことをいうと活動するなと言われているのですね.はじめは言葉を覚え,友達を作り,問題がどこにあるかをしっかり見なさいと.今までの経験だけでものを言ったら間違える,ということで,新しいところにったら3年間は黙っていなさいと.そして次の3年間で,その問題の1つでもいいから,地域の方々と一緒にそこにある資源を使って解決する努力をしなさいと.さらに次の3年間で,その地域の方々にバトンタッチしなさい,という団体なのですね.
(中略)
私が帰ってきてしまったら,またなくなってしまったというのでは何もならないので,向こうの方が出来るものを少しずつ提案していくような形でやっていきたいと考えています.」


『月刊地域医学』 というコアな雑誌(地域医療振興協会)より.(かなりおもしろいので毎月楽しみに読んでいます.)

Vol.22.No.8 2008
Interview「日本の家庭医の先達が,今,ネパールで新たに挑む」

として,楢戸健次郎先生のインタビューから.自分が一番印象を受けた下り.

今はあまり知る人もないのかもしれないが,楢戸健次郎先生は日本の家庭医としては先駆け.

以下はインタビューからの要約.

海外医療協力を元々やりたくて,そのためには全科ができないとだめだろうと考えていたとのこと.
学生時代に,(恐らく1960年代後半)米国で家庭医療が専門として立ち上がるのを目の当たりにして,その当時に作られようとしていた米国の家庭医療の研修プログラムと同じような物を日本で自分で構築.卒後2年は内科研修の合間に外科のopeに参加,週1日の休日に産婦人科の研修.3年目からは北海道で小児科1年,外科,整形外科系の診療所で2年.また東京に戻って産婦人科,皮膚科,眼科,耳鼻科等を含め,計7年半で,自分なりに家庭医の初期研修にピリオドをつけたと.

その後北海道新冠の国保病院で内科小児科産婦人科を担当,健康管理課の課長補佐を兼任,老人病棟の開設,学校医,産業医の勉強をしながら4年半.

それからたまたま無医村になった地域の美流渡診療所(2500人)でグループ診療を開始.(卒後10年ちょっとと推測)
ここへ行ったのは明確に3つの目的があったとのことです.
1.人口の出入りのない地域で医療の実践をやりたかった(家庭医はdefined populationを責任を持ってケアするという意味で,救急医と区別される)
2.海外で一般的になっていたグループ診療を試したかった.
3.家庭医は日本でも受け入れられるか試したかった

長い間美流渡で診療をされた後(20年以上),後進にに現場を引き継いでようやく,学生時代からの念願の海外医療協力のために,ネパールへ.

---------------
そのほか家庭医療学会の前身である家庭医療学研究会の発起人だったり,数年だけ続いた家庭医療という幻の雑誌の立ち上げ役だったりといううろ覚えの僕の記憶.

現在とは隔世の感のある当時に,学生時代に家庭医を明確に目指し,その研修を自ら組み,グループ診療を意図的に開始,など先駆的なその功績はその価値は測りしれません.

個人的には一度だけ医学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナーでお話を聞いたことがあるだけですが,非常に穏やかな方だという印象を受けました.

楢戸健次郎ワーカー報告会実施中

楢戸先生については

地域に根ざした家庭医を見学して

地域医療に取り組む

〔座談会〕家庭医になりたい君へ(このメンバーの全員がHANDS関係者となってしまいました)

で少し知ることが出来ます.(以前医療ルネサンスの家庭医の特集で取り上げられていましたが,ネットでは見つけられませんでした)

そのような背景を踏まえて,

はじめの3年間は,極端なことをいうと活動するなと言われているのですね.はじめは言葉を覚え,友達を作り,問題がどこにあるかをしっかり見なさいと.今までの経験だけでものを言ったら間違える,ということで,新しいところにったら3年間は黙っていなさいと.そして次の3年間で,その問題の1つでもいいから,地域の方々と一緒にそこにある資源を使って解決する努力をしなさいと.さらに次の3年間で,その地域の方々にバトンタッチしなさい


これは何も外国に限ったことではない.日本中にたくさんの文化圏があり,様々なお国言葉がある.

家庭医の研修制度が進み,最短で初期2年+後期3年で,一通り家庭医の基礎は作れるようになったが,それから家庭医として本当の意味で地域で何かをするには9年かかるということ.そのぐらいの腰の据え方で.

地域に出た若き家庭医たちよ.まだ皆さんはその地域の「言葉を覚え,友達を作り,問題がどこにあるかをしっかり見る」段階でしかない.「今までの経験だけでものを言ったら間違える」から.

家庭医は腰を据えてじっくりと.

冒頭のインタビューは数ヶ月後にそのHPで読むことが出来るようになると思います.

2008/08/17

    総合医者

息抜きにどうぞ
忘年会のネタとしてよいかな,と

総合医者(バカリズムライブ)

2008/08/16

    専門家というのは、自分の専門においておかしうる間違いをすべて知り尽くした人のことだ

小さな、静かなる持続の力 | lifehacking

より(途中何カ所か省略)

陶芸のクラスで、クラスを二つに分けて、作品の「質」と「量」で評価をしたところ、「量」をこなした方には「質」も付いてくるようになったというのです。このことは、理論立てて考えるよりも先にやってしまう方が早い、また失敗から多くを学べるということを示していると思えます。

また、これが陶芸のというのも注目に値します。陶芸などの芸術は「無駄の排除」あるいは「デザインの欠如」がかえって完成度を増すことが多いですので、数をこなすことはクリエイターたちの手つきから陶芸にとってむだな部分を削ぎ落としていった結果とも言えるものです。



まずは始める。質はあとからついてくる
才能云々よりも、まずは作り出すこと・作っている状態を持続することが、十中八、九、いや、百中九十九くらいの場合は正しい選択になるのだなあ、ということを、いろんなことを小難しく考える癖のある自分は、毎日のように痛感しています。


物理学者ニールス・ボーアは「専門家というのは、自分の専門においておかしうる間違いをすべて知り尽くした人のことだ」と言っています。おかしうるすべての間違いというのは、膨大な量です。大学のとき、理論物理学は論理的に正しいことだけを鋭く細く探求する学問だと思っていたときに、この言葉に接して愕然としたのを覚えています。


こうしてみると、ただ量を生み出すだけでなく:

量をたたき出して、その分野における知識を地と肉に覚え込ませるフェーズ
一定量を持続的に作り出すことによって、生産性の高い状態を自己フィードバックで維持するフェーズ

この二つがからみあっているように見えます。「自分の能力が低い」と思っている人は、「一度まとめて勉強しよう」などと考えずに、毎日最小限の行動を持続して、ゆっくりとそれを広げてゆく方が効果があるのではないでしょうか。


質より量に学ぶ | Radium Software

引用ばかりだが,言い尽くされている感があるので,追加することはありません.

たくさんやろうとすればするほど,たくさんやればやるほど,

「時間的効率」に意識的・無意識的に直面せざるを得ないため,無駄がそぎ落とされる.

しかしながら,

私の持論

「practice makes perfect(繰り返しによって完璧になる)」は間違いである.繰り返しによって確実になるのは,「あなたが繰り返しやっていること」であり,間違ってやりかたを何度も繰り返しやればそれが確実になり,余計に変更が困難になる.


からすると,数やるだけではダメで,やはり,1回1回毎にうまくいったこと,行かなかったことを検証し,次のトライに活かす,いわゆるreflective practiceでなければ改善は望めない.とおもいます.


practice makes perfect(繰り返しによって完璧になる)
改め


reflective practice makes perfect(思索を伴う繰り返しによって完璧になる)


結局Kolbの学習サイクル を何回回すか.ということ.

そして

「専門家というのは、自分の専門においておかしうる間違いをすべて知り尽くした人のことだ」


は名言.

2008/08/05

    本日発表のUSPSTF (D recommendation)

75才以上もしくは10年余命のない人には前立腺癌のスクリーニングは害の方が多いのでやらないで.とのこと


CLINICAL GUIDELINES
Screening for Prostate Cancer: U.S. Preventive Services Task Force Recommendation Statement 
U.S. Preventive Services Task Force
5 August 2008 | Volume 149 Issue 3 | Pages 185-191


75才までは今まで通り I recommendation


あくまで米国の話ですが.

日本泌尿器科学会の見解はこちら
どちらが正しいかは別として,日和見的,事なかれ的ではなく,professional集団として明確な見解を発表する,というやり方は好感が持てます.

そもそもI recommendationなので,正解はなく,あるのは価値観と立場のみ.よくよく患者さんと相談しましょう.ということ.

2008/08/01

    日本人で北米家庭医療臨床留学をした人たち

米国家庭医療学専門医の更新試験、あさってに迫って準備不足。ストレスが極限で、逃避行動のように一気にまとめた。

日本人で米国家庭医療臨床留学をした人たち

個人的に、この数年間人づてで、日本人として北米の家庭医療臨床研修に入った人たちのリスト(卒業大学、プログラム、終了後の進路)などを毎年updateしている。(今年はまだだが)
単純に個人的興味なのだが、最近家庭医を目指しての渡米を考える人も増えており、このリストを見せて欲しいという依頼も時々ある。しかしながら、米国に家庭医を目指してわたる人のすべてが、日本の家庭医療の発展を考えているわけではない、また、後から追いかけてくる人に手助けをしようと考えているとも限らない。渡米を目指す人から相談や連絡を受けて迷惑と感じる人もいるに違いない。単純に米国での生活を夢見てたまたま入りやすかった分野だから家庭医療を選んだとか、いろいろ。
そんな理由で、各個人の了承なしで口コミで集めた情報なので、間違っている場合もあるだろうし、個人情報保護の昨今、本人に無断で他人に情報を提供することは、失礼に当たる。

でもできるだけ後身のサポートはしたい。でも個人情報の問題や失礼は起こしたくない。半年ほど考えていた結果が前述のリンク。「Web上で獲得できる情報は基本的に不特定多数がみることができるので、本人が公開を容認した」と考えてよかろう。ということで、webで得られる情報だけで(その情報源とアクセスの日時も明記した上で)、構築したリスト。当然連絡先などは書いていない。でもこれだけのwebの世の中だから、あとは、各自糸口をたどれば何とかなるだろう。
webにはなっていない出版物も含めれば、もう少し載せられるのだろうが、そこまでの手間はかけられない。
今日の時点で24名。(私の持つリストの60-70%ぐらいの人数)
情報の間違い、また、現在明らかになっていない人の情報がwebで得られた場合は是非連絡をされたし。

ノウハウはこちら。でももはや海外に行かなくても立派な家庭医になれる時代がきています。これだけのプログラムがあるのだから。

家庭医学・総合診療にみる医学留学へのパスポート (シリーズ日米医学交流 7)
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  • 発売元: はる書房
  • 価格: ¥ 1,890
  • 発売日: 2007/11
  • 売上ランキング: 128562
  • おすすめ度 4.0


アメリカ臨床留学への道―You can do it!
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  • 発売元: 南山堂
  • スタジオ: 南山堂
  • 価格: ¥ 4,515
  • 発売日: 2005/10
  • 売上ランキング: 24563

2008/07/31

    近況さまざま

いつも忙しくならないように、現場の人にしわ寄せがいかないように、と気をつけているはずなのだけれど。。。。
これまで、これから

7/24(木) 
金沢大学周生期医療専門医養成プログラムK-CAPPICシンポジウム
 ~米国から学ぶ医学改新~


7/25(金)医学教育学会 今年は諸事情にて発表はせず。一般向け市民講座としてノーベル賞の小柴先生の話を聞きました.1時間のうち30分はいかにお金を確保するかの話で,reseacherは基本的にはproject managerであること,大きな仕事にはやはり先立つものが不可欠であることを再認識しました.
学会では数多くの発表がされていましたが,玉石混合という感じです.先進的なところは先進的。しかしauthenticityの高いアウトカムを出す教育研究の難しいこと。
一方でわざわざスキルスラボで一生懸命トレーニングをして、そのアウトカム評価はペーパーテストという発表も。(どの大学とは言いませんが)これがなぜ変なのかが分かるためには教育のことを理解していなければなりません。それを、「こんな発表があったんですよ。変ですよね。」とふつうに気づけるHANDS修了生。

夜はHANDSの同窓会.修了生が各地でリーダーシップをとって世の中をうごかしつつあります.

7/26(土)は安房地域医療センター開設記念講演会のシンポジウム座長

7/28(月)午前は館山市の養護教員(小,中学校)の皆さん16名がKFCTに見学に来られ,KFCTで行われている家庭医療の話を私から とリハビリの話をOTのKさんからさせて頂きました。.女性の診療などがされていることの周知はまだまだ不十分で,私たちの診療範囲を再度説明,また発達障害や自閉,不登校なども疑いの段階で気軽に相談して下さいというお話しさせて頂きました.

8/2(土)
明日金曜日からアメリカの認定医の更新の試験を受けにハワイへ行ってきます.(前日に入って,当日は8時から5時までテスト,翌日は朝10:30の飛行機です。真夏のハワイなのにとんぼ返り.....)未だ試験勉強が出来ず,どうしようか困っています.落ちたら一年間休職して試験浪人をしようと思っています.
MC-FPではない、旧制度での最終のグループではないでしょうか。(2003年にcertifiedの人たちから始まった。私は2002のcertify)

来週金曜日は佐野潔先生を迎えて第6回家庭医療集中セミナーin館山 があります.翌日土曜から3日間は第20回 医学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナーにてWS「全体をみながら診療するということ(個人、家族、地域、環境)」の講師。

2週ほど前をもって南房総で、そして先週をもって千葉県で麻疹がほぼ終息しているので,高校生は感染室で診療というトリアージを8/2までとし,8/4(月)からは通常に戻します.一安心。