2008/08/01

    日本人で北米家庭医療臨床留学をした人たち

米国家庭医療学専門医の更新試験、あさってに迫って準備不足。ストレスが極限で、逃避行動のように一気にまとめた。

日本人で米国家庭医療臨床留学をした人たち

個人的に、この数年間人づてで、日本人として北米の家庭医療臨床研修に入った人たちのリスト(卒業大学、プログラム、終了後の進路)などを毎年updateしている。(今年はまだだが)
単純に個人的興味なのだが、最近家庭医を目指しての渡米を考える人も増えており、このリストを見せて欲しいという依頼も時々ある。しかしながら、米国に家庭医を目指してわたる人のすべてが、日本の家庭医療の発展を考えているわけではない、また、後から追いかけてくる人に手助けをしようと考えているとも限らない。渡米を目指す人から相談や連絡を受けて迷惑と感じる人もいるに違いない。単純に米国での生活を夢見てたまたま入りやすかった分野だから家庭医療を選んだとか、いろいろ。
そんな理由で、各個人の了承なしで口コミで集めた情報なので、間違っている場合もあるだろうし、個人情報保護の昨今、本人に無断で他人に情報を提供することは、失礼に当たる。

でもできるだけ後身のサポートはしたい。でも個人情報の問題や失礼は起こしたくない。半年ほど考えていた結果が前述のリンク。「Web上で獲得できる情報は基本的に不特定多数がみることができるので、本人が公開を容認した」と考えてよかろう。ということで、webで得られる情報だけで(その情報源とアクセスの日時も明記した上で)、構築したリスト。当然連絡先などは書いていない。でもこれだけのwebの世の中だから、あとは、各自糸口をたどれば何とかなるだろう。
webにはなっていない出版物も含めれば、もう少し載せられるのだろうが、そこまでの手間はかけられない。
今日の時点で24名。(私の持つリストの60-70%ぐらいの人数)
情報の間違い、また、現在明らかになっていない人の情報がwebで得られた場合は是非連絡をされたし。

ノウハウはこちら。でももはや海外に行かなくても立派な家庭医になれる時代がきています。これだけのプログラムがあるのだから。

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2008/07/31

    近況さまざま

いつも忙しくならないように、現場の人にしわ寄せがいかないように、と気をつけているはずなのだけれど。。。。
これまで、これから

7/24(木) 
金沢大学周生期医療専門医養成プログラムK-CAPPICシンポジウム
 ~米国から学ぶ医学改新~


7/25(金)医学教育学会 今年は諸事情にて発表はせず。一般向け市民講座としてノーベル賞の小柴先生の話を聞きました.1時間のうち30分はいかにお金を確保するかの話で,reseacherは基本的にはproject managerであること,大きな仕事にはやはり先立つものが不可欠であることを再認識しました.
学会では数多くの発表がされていましたが,玉石混合という感じです.先進的なところは先進的。しかしauthenticityの高いアウトカムを出す教育研究の難しいこと。
一方でわざわざスキルスラボで一生懸命トレーニングをして、そのアウトカム評価はペーパーテストという発表も。(どの大学とは言いませんが)これがなぜ変なのかが分かるためには教育のことを理解していなければなりません。それを、「こんな発表があったんですよ。変ですよね。」とふつうに気づけるHANDS修了生。

夜はHANDSの同窓会.修了生が各地でリーダーシップをとって世の中をうごかしつつあります.

7/26(土)は安房地域医療センター開設記念講演会のシンポジウム座長

7/28(月)午前は館山市の養護教員(小,中学校)の皆さん16名がKFCTに見学に来られ,KFCTで行われている家庭医療の話を私から とリハビリの話をOTのKさんからさせて頂きました。.女性の診療などがされていることの周知はまだまだ不十分で,私たちの診療範囲を再度説明,また発達障害や自閉,不登校なども疑いの段階で気軽に相談して下さいというお話しさせて頂きました.

8/2(土)
明日金曜日からアメリカの認定医の更新の試験を受けにハワイへ行ってきます.(前日に入って,当日は8時から5時までテスト,翌日は朝10:30の飛行機です。真夏のハワイなのにとんぼ返り.....)未だ試験勉強が出来ず,どうしようか困っています.落ちたら一年間休職して試験浪人をしようと思っています.
MC-FPではない、旧制度での最終のグループではないでしょうか。(2003年にcertifiedの人たちから始まった。私は2002のcertify)

来週金曜日は佐野潔先生を迎えて第6回家庭医療集中セミナーin館山 があります.翌日土曜から3日間は第20回 医学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナーにてWS「全体をみながら診療するということ(個人、家族、地域、環境)」の講師。

2週ほど前をもって南房総で、そして先週をもって千葉県で麻疹がほぼ終息しているので,高校生は感染室で診療というトリアージを8/2までとし,8/4(月)からは通常に戻します.一安心。

2008/07/30

    第6回家庭医療集中セミナーin館山

第6回家庭医療集中セミナーin館山
【日時】:2008年8月8日9時~18時
【場所】:安房地域医療センター(千葉県館山市) http://www.awairyo.jp/
【募集】:15~20人(先着順)
【対象】:学生、初期・後期研修医、医師
【参加費】:資料代+懇親会費: 8000円 (セミナー 6000円 懇親会 2000円)

【講師】:
マーガレット・ギリス (Mercy-St. Joseph Hospital, Ann Arbor, US)
カトリーヌ・ソバジェ (Cancer research center, Lyon, France)
岡田唯男(亀田ファミリークリニック館山・ディレクター)
佐野潔(パリアメリカ病院日本家庭医療クリニック)
【内容】:
家庭医療に必要な知識と技術、教育・研修/いかに学ぶか、米仏救急医療など
幅広く学び、日本の家庭医療の将来についてなど皆でフリーに語りあいましょう。

2008/07/29

    安房地域医療センター開設記念講演(2008/7/26)

後半のシンポジウム座長でした.発言の機会もいただけたので兵庫県の柏原病院の話をひいて、住民参加の医療作りということと,何でも専門医、専門医といわずに,家庭医にかかってみて下さい.という話をさせて頂きました.

読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chiba/news/20080727-OYT8T00038.htm
上記より)

病院経営で議論 厳しい見通しも
安房地域医療センター記念シンポ
 館山市北条の県南総文化ホールで26日、安房医師会病院(館山市山本)が今年4月、社会福祉法人「太陽会」(鴨川市)に経営移譲され、「安房地域医療センター」として再出発したのを記念した講演会とシンポジウムが開かれた。

 まず、同医師会の宮川準会長が基調講演に立ち、「鴨川地区で看護大学創設がうわさされているが、今後5年間は看護師の供給が絶たれる可能性が高い。看護学校を持ち、研修医を抱えていない病院はつぶれる」などと厳しい見通しを示した。

 続くシンポジウムでは近藤俊之・県病院局長、亀田信介・太陽会理事長らが持論を展開した。会場との質疑応答では9月末で休止の銚子市立総合病院も話題に。近藤氏は「安房医師会は手元にお金がある時点で動き始めた。銚子は診断を誤った」と指摘した。

 最後に安房地域医療センターの上村公平院長が市民の支援を求めた。

(2008年7月27日 読売新聞)


房日新聞
http://www.bonichi.com/News/item.htm?iid=1557
安房地域医療センター 開設記念で講演とシンポ 館山
300人が地域医療考える
安房医師会病院が経営移譲され、「安房地域医療センター」として再スタートしたことを記念した講演会とシンポジウムが、県南総文化ホールで開催された。関係者を中心に約300人が参集し、地域医療の今後を考えた。

鴨川市にある社会福祉法人太陽会(亀田信介理事長)が、経営難に陥った安房医師会病院の経営移譲を受け、今年4月に再出発した同医療センター。記念講演会とシンポジウムは、地域医療を見つめ直す機会にと催された。

この日は、同センターをはじめ、安房地域の医療、福祉関係者、地元選出県議や南房総、鴨川、鋸南の各首長ら来賓を含め、約300人が参集した。

まず、亀田理事長が「さまざまな難しい問題があったが、地域医療を守らなくてはならないという同じ目的のもと県、市町、医師会、病院職員が一体となり再スタートを切ることができた。まだフル機能ではないが、充実を図り、地域のみなさんに信頼されるセンターにしていきたい」などとあいさつ。

続いて安房医師会の宮川準会長が「安房地域医療センター誕生の軌跡」と題して基調講演した。

その後、医療法人鉄蕉会亀田ファミリークリニック館山の岡田唯男院長がコーディネーターをつとめ「医療と地域振興~医療崩壊から地域を守れ~」をテーマに、シンポジウムを開いた。

県病院局の近藤俊之局長が「医師不足時代にどう向き合うか」、社会福祉法人九十九里ホームの井上峰夫理事長が「地域医療と公益性」、亀田理事長が「長寿を謳歌できる地域をめざして」と題し、15分ずつ持論を展開。最後に会場も交えて意見交換した。

今後の病院経営の厳しい見通しなども示され、参加者はメモを取るなど熱心に耳を傾けていた。

【写真説明】あいさつする亀田理事長=南総文化ホールで

7月29日20時00分

2008/07/24

    金沢大学周生期医療専門医養成プログラムK-CAPPICシンポジウム

2008/7/24
金沢大学周生期医療専門医養成プログラムK-CAPPICシンポジウム
 ~米国から学ぶ医学改新~


金沢大学産婦人科の主催で周産期とgeneralistの協働についてのシンポジウムでKFCTの小児,女性のケアへの貢献を実例として発表.
石川県七尾市の恵寿総合病院理事長 神野正博先生のblogに報告があります。(ご本人はblogの写真の印象より、ずっと優しい方です)
恵寿総合病院は来年春、家庭医療センター設立予定で、金沢大学産婦人科の十分なバックアップを受ける、ということになっています。
関連記事 その1 その2 準備段階として9月から、米国で家庭医療と老年医学の研修を終えた日本人が着任の予定です。
ミシガン大学のサポートもありこれからのびてくるのかもしれません。

そういえば手稲渓仁会病院も同じタイミング。

こちらも同じスタイル。これから家庭医としての研修施設もただ作ればよいというのではなく、室が問われる時代に移っていくのでしょう。(群雄割拠へ)

自分の所もうかうかしていられません.産婦人科主催ということで,シンポジストや,聴衆に産婦人科の先生も数名おりましたが,我々ジェネラリストが産婦人科診療に関わることに非常に意欲的な方ばかりでした.時代は変わってきています.

(2008/9/12追加)

プログラム冊子pdfがアップされていたのでリンクを追加しました.私の思いが抄録に込められています.(また,最近一番お気に入りの写真を使っています)

[2008/07/24]
K-CAPPICシンポジウム~家庭医療は周産期医療危機を救う~開催。約250名が参加【PDF】

2008/07/12

    家庭医による産婦人科領域についての患者ニーズ

日本プライマリケア学会での大原医師との共同発表.
必要とされていないというより,周知の問題とアクセスの問題.


2J-06 31 5/13-15/2008 1 • 2006 6 2007 8 • • 45 2008 1 15 1 24 20 2006 6 2007 8 20 2008 1 15 24 45 2 • 31.96 n= 1 201 31.96 3 2 1 2 4 3 5 n=201 • • • • – • • 46.8% 10.5% 69.6% 71.0% n=21 15 12 4 46.8% 69.6% 10.5% 71.0% 6 n=199 • • • • – • • • 1 53.8% 8.6% 66.3% 68.6% n=50 23 6 11 5 5 53.8% 66.3% 8.6% 68.6% 7 n=188 • • • • – • • • 36.7% 8.1% 74.7% 72.1% n=65 33 4 21 1 6 36.7% 74.7% 8.1% 72.1% 8 • • • • 7 8 4 8 5 9 • • • • • 3 1 1 3 2 10 • 11

2008/07/11

    2007 HANDS-FDF 全行程

HANDS-FDF 2007の全行程まとめました.2007の参加者は振り返りに.それ以前の人は,変更点の参考に.これからの人は夢をふくらませる手段に.

Read this document on Scribd: HANDS2007全行程

2008/07/09

    芸人と芸術家の違い(goods, service, experience)

Z という雑誌 2008年 3月号 p114 violinist 吉田恭子氏の インタビューより

ある映画監督がおっしゃっていたことに「芸人はその人が望むものを望んだ分だけ与えてくれる.芸術家は,その人が一生で一度も望まなかった何かを与えてくれる.でもその何かとは,それを知ってしまったが故に,それ以降はほしくてたまらなくなる何かだ」


この映画監督が誰かわからないし,その人の引用をした人の引用で恐縮だが,良い言葉はよい言葉.

この言葉は顕在的ニーズと潜在的ニーズと置き換えることが出来る.「その人が一生で一度も望まなかった何か,かつその後はほしくてたまらなくなる」本人は自分にとって必要と気づいていないが提示されると,「ああそれほしかったの」ということは潜在的ニーズ

僕が良く例に出すのはカメラ付き携帯.だれも「わざわざ画質の悪いカメラ機能を携帯に付けなくても」と思ったはずだが,そう思った自分でさえ,「あっ」と思った瞬間にデジカメの手持ちがなければ携帯を構えている.古くはポータブルミュージックプレーヤー(ウ○ークマン).あれも戦略的に人の潜在的ニーズを掘り起こした物だ.

ビジネスの世界では言い換えると「提案型マーケティング」.今まで考えたこともなかった人に,「こんな商品のある生活,想像してみては」「こんなレジャーをしている自分をイメージして」など.

家庭医の提供する医療などいらない,専門家がいるのでいらない,家庭医の提供するマタニティケアなどあり得ない,誰も必要といっていない
などは顕在的ニーズに基づいたコメント(もはやそうでもなくなってきているが)

「ほとんどの人が一生で一度も望まなかった」ものは,おそらく見たことも聞いたことも体験したこともない物.だから選択肢に挙がらない.それが目の前に提示され,それから,自分がそれを利用する事を想像してみる.実際に利用してみる.それで初めて,「自分には必要だったんだ」か「やっぱりいらない」かの判断が下る.

日本のほとんどの場所で,ほとんどの住民が比較的簡単に良質な家庭医の医療を受けられる状態になるまで(つまりほとんどの人に「家庭医のお試し」が出来るという提案がされるまで),本当に家庭医療が不要かどうかは結論づけることが出来ない.良質の家庭医療がどこでも手軽に手に入るぐらい家庭が増えたところで「家庭医不要論」が出たら,きっとあきらめざるを得ないのではないかと思う.それまでは,潜在的ニーズがあると信じて.

再度,もともとの引用にもどる(芸人と芸術家)
芸人の提供する物はパフォーマンス,芸術家の提供するものは感動と言える.

芸術家を広い意味でとらえたら「大笑いしておしまい」が芸人.大笑いしてその後に「あの笑わせ方すごい」「なんかわからんけど今のすごい」あとあとまで「いついつの誰それの芸(パフォーマンス)というのが芸術家レベル.そう言う意味で,上野公園にいる休日の大道芸人の中にも芸術家はいる.

指導医養成の場で時々,[goods(商品), service, experience]の話をする.これはNeil Whitmanの教え.
この順に教育の長期的残存効果は高くなるからexperienceとしての教育を目指せ.ということ.

珈琲が飲みたいから自販機で缶コーヒーを買う(goods)
店内で,珈琲をその場で抽出してもらって飲む.(service)
空調の効いた,良い音楽の流れる店内で,本を読みながら珈琲を飲む(service/experience微妙)
有名バリスタのいるお店で珈琲を飲むという一連の体験をする(experience)

メンデルスゾーンのバイオリンコンチェルトが聞きたいからCDやダウンロードで聴く(goods)
メンデルスゾーンのバイオリンコンチェルトがどうしても生で聴きたくなって,一番直近の,一番近くのホールでの演奏会へ出かける(service)
どうしてもXXXX(あなたのお気に入りのviolinisit)のメンデルスゾーンのバイオリンコンチェルトがどうしても生で聴きたくなって,(もしくはXXXXホールで聴きたくなって)何年も前から貯金して大枚はたいて,大切な人とおめかしをして出かける(experience)

いつまでの記憶に残るのはどれだろうか.

感情が動くと長期的記憶に残る.大脳生理学的にそうだ.(Kolb's learning cycle)
指導医養成講習会で多くの人は「自分もしかられたことは忘れない,しかることも必要ではないか」という.確かにしかられると感情が動くから記憶に残る.陰性な感情と一緒に.必要なのはしかることではなく,感動させること「あっそうか!」と思わせること.おもしろいと思わせること.笑わせること.

他人に陰性の感情を抱かせるのは簡単.必要なときに感動させる,笑わせるのはずっと難しい.
しかるという形で記憶に残す教育は他のやり方を知らない(出来ない)ひとの,一番安易な教育法.副作用の多い.

goods levelではなく,experience levelの医療,教育をするということは自分以外では代替えがきかない存在になる,ということ.「スタイルを持つ」ということ.indispensableであること.コモディティ化することとの正反対.最も高価値であり,得難くなる,ということ.

しかし出来るだけ多くの人に届けようとすると,その逆をいかなければならない.コモディティ化.やすく,均質で,手に入りやすい,マニュアル化された物.

それを目指せば目指すほど,「自分でなくても良い」事になるというジレンマを抱えることになる.

ある本「コンサルタントの秘密」ではブルーベリージャムの法則,と呼んでいるようだ.(一定量のジャムを広い面積に広げようとすればするほどそれぞれの場所は薄くなる.広げようとすればするほどそれぞれの場所での効果は薄くなるということ)(本は後述)

ところが,それも行き着くところへ行き着いて,規模がすごいことになるとまた急に別の意味でone and onlyになる.

以下は,白内障の事例で,眼内レンズという製品だが,これを徹底的にやすく現地で生産することで,先進国では単価100-150ドルなのに対し、3-4ドルを実現し,インドの多くの人を救ったという事例.ものはコモディティ化したが,その結果より多くの人に「再び光が戻る」という感動を提供したことでデイビッド・グリーン氏はone and onlyとなった.

思いやりの資本主義

goodsとexperience.量と質一般的には両立しないとされているが,その困難の先にindispensableなgoodsとしての家庭医療,指導医養成がある.

コンサルタントの秘密―技術アドバイスの人間学
G.M.ワインバーグ, 木村 泉, ジェラルド・M・ワインバーグ
共立出版 ( 1990-12 )
ISBN: 9784320025370
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